この記事では、ライフプラン表作成ソフト「Financial Teacher System」を使ったライフプランの例についてご紹介しています。
こんにちは、ファイナンシャルプランナーのチエです。
今回は、「将来小さなカフェを開きたい」リリさん(28歳)のライフプランをご紹介します。
「将来小さなカフェを開きたい」(28歳女性・年収350万円)
正社員として働くリリさんは、仕事の後や休日にカフェ巡りをするのが趣味で、いつか自分のカフェを開くのが夢。
40歳になったら小さなカフェを開き、のんびりと暮らしたいと考えています。
Financial Teacher Systemの入力内容
今回「Financial Teacher System」上で設定したリリさんの情報は、以下のとおりです。
<初期設定>
・28歳女性
・現時点での貯金:230万円
<今後の働き方と年収>
・現時点での年収:350万円
※今後の年収の予測は「日本の平均的な年収上昇率で見積もる」に設定
・39歳まで正社員として働き、40歳でカフェを開業して65歳まで働く
・カフェ開業後の年収:240万円
<住まいの費用>
・現在の住まい:家賃7.7万円の賃貸
(家賃7.4万円+管理費0.3万円、更新料7.4万円/2年毎)
<日常生活費>
・毎月の生活費:10万円
<臨時支出>
・カフェ開業費用:300万円
【シミュレーション結果】70代で貯金ゼロ!老後の生活ができない!
必要な情報を入力できたら、早速レポートを出力してみます。
※以下に掲載している画像はすべてFinancial Teacher Systemの画面を引用しています。
レポートの「年間収支と資産残高」を見てみましょう。
まず、年間収支については下記のことが分かります。
- カフェ開業後は、年間収支が赤字の状態が続く
- 65歳で年金受給が始まるが、それでも毎年約100万円の赤字が続く
続いて、金融資産残高を見ると下記のことが分かります。
- 70歳で貯金が底をつき、資産がどんどんマイナスになっていく
残念ながら、これでは老後の生活ができません。
【家計プランの見直し】田舎へ移住!住まいの費用と働き方を見直してみる
そこでリリさんは、家計プランを見直してみることにしました。
「今は都会で働いているけれど、カフェは自然が豊かな場所でのんびり経営したい」
「田舎の方に引っ越せば、もっと安いアパートで生活できるはず」
「健康に気を付けて、70歳まで働きたい」
どこでカフェを開くか決めていなかったリリさんですが、自然豊かな田舎でカフェを開きたいという気持ちに気づきました。
そこで、カフェ開業後は都会から田舎に移住することで、住居費を今よりも減らせそうだと考えたのです。
さらにゆったり暮らせる田舎なら、70歳まで仕事をしてみたいと思うようになりました。
<家計プランの変更>
●住居費
40歳でカフェ開業後、安いアパートに引っ越す
費目 | 変更前 | 変更後 | 差額 |
家賃 | 7.7万円 | 3.7万円 | ▲4万円 |
●生活費
変更なし
費目 | |
光熱費 | 1万円 |
通信費 | 1万円 |
食費 | 3万円 |
日用品・服・美容 | 1.5万円 |
趣味・交際費 | 3.5万円 |
合計 | 10万円 |
●働き方
65歳までではなく、70歳まで働く
【再シミュレーション結果】田舎でゆとりあるカフェ経営生活
設定変更後、再度シミュレーション結果を見てみましょう。
カフェ開業後、正社員時代よりも収入が下がることを見込んでいても、住まいの費用も減らせたことで、資産が減ることはなく、ゆとりある生活を送ることができそうです。
「田舎でカフェを開くのが楽しみ!」
具体的なライフプランを立てることができたリリさんは、さっそく移住先の田舎の候補をリストアップし始めました。
年収240万円を目指すため、カフェ巡りをしながら「このメニューなら、原価はこのくらいかな?」と、採算シミュレーションにも力が入ります。
ライフプランを立てることで、夢の実現のために必要なアクションを、より具体的にイメージすることができるようになります。
なんとなく漠然と描いていた夢が、実現可能な目標に変わるのです。
次回は、「50歳でセミリタイアしたい」という夢を持つ女性のライフプランシミュレーションをご紹介します。