鉄不足が原因で起こる貧血。女性は生理があるため貧血になりやすく、貧血で困っている方も多いのではないでしょうか。
こんにちは。管理栄養士ライターの広田です。一人暮らし歴が長いからこそわかるポイントを押さえながら、“簡単おいしい栄養◎”なレシピをお伝えしています。
今回は貧血予防に役立つ食材や、さらにはコンビニで買える食材だけで作る貧血対策レシピもご紹介します。簡単に作れるおいしいレシピで、貧血対策に役立ててくださいね。
貧血の基礎知識
まずは貧血の基礎的な知識を簡単にお伝えします。
女性に多い貧血の原因と症状
女性に多い貧血は「鉄欠乏性貧血」といい、鉄が不足することが大きな原因です。女性は生理の出血により鉄が失われてしまうだけでなく、過度なダイエット、極端な偏食も貧血を助長してしまいます。
貧血が悪化すると、動悸や息切れ、頭痛、疲れやすさなどの症状が起こることもあります。日頃の食事からしっかりと対策しておきましょう。
貧血対策にはヘム鉄とビタミンC
貧血対策といえば「鉄」ですが、鉄にはヘム鉄と非ヘム鉄の2種類があります。ヘム鉄は動物性食品に含まれ、非ヘム鉄は植物性の食品に含まれます。
ヘム鉄の方が吸収率が高いため、貧血の対策にはヘム鉄を意識して摂ることが大切です。また吸収率の低い非ヘム鉄は、たんぱく質やビタミンCと合わせて摂ることで吸収率を高めてくれます。
貧血対策に役立つ食べ物を以下の表にまとめました。
貧血対策におすすめの食べ物リスト
栄養素の種類 | 多く含む食品 |
---|---|
ヘム鉄 (吸収率◎) | あさり水煮缶詰、レバー、コンビーフ、 牛肉、さんま、かつお、卵など |
非ヘム鉄 (吸収率△) | がんもどき、豆乳、厚揚げ、納豆、 小松菜、ほうれん草など |
ビタミンC | キウイフルーツ、いちご、レモン、パプリカ、 さつま芋、かぼちゃ、ブロッコリーなど |
続いて「一人暮らし」の方でも取り入れやすい、コンビニ食材を使った貧血対策のレシピを2つご紹介します。
缶詰を使って10分で完成!さんまの竜田揚げ
吸収率の高いヘム鉄が含まれる、さんまの蒲焼缶を使ったレシピです。さんま蒲焼缶には、100gあたり2.9㎎の鉄が含まれています。
そのまま食べてもおいしい蒲焼缶ですが、竜田揚げにすることで、香ばしさがプラスされ、ご飯のおかずにもおつまみにもなる一品に変身します。
揚げ物といっても、少量の油で揚げ焼きにするので、簡単に作れて後片付けも楽チンです。
さんまの蒲焼缶は150~200円程度で手に入り、あとは家にある材料で作れるので、リーズナブルに作れるのもうれしいですね。
材料(1人分)
さんま蒲焼き・・・1缶
おろしにんにく、おろししょうが(チューブ)・・・各2㎝分
片栗粉・・・大さじ1~2
油・・・適量
生野菜、レモン(あれば)・・・適量
作り方
①さんま蒲焼き缶をバッドなどに取り出す。おろしにんにく、おろししょうがを混ぜ合わせたものをスプーンの背で表面に塗る。片栗粉を両面にまぶしておく。
②フライパンに3~5mmの高さになるように油を注ぐ。火にかけて油が温まったら①を入れ、両面こんがりと揚げ焼きする。生野菜やレモンがあれば、一緒に皿に盛る。
ポイント
中はすでに火が通っているので、表面がカリっとすればOKです。焦げやすいので、弱めの中火で様子を見ながら揚げ焼きしましょう。
ほうれん草の海苔ごま和え
貧血対策メニューのもう1品は、ほうれん草と海苔を使った和え物です。
ほうれん草と海苔には非ヘム鉄が含まれています。非ヘム鉄はビタミンCと一緒に摂ることで吸収率が高まるので、ビタミンCも含まれているほうれん草は効率的に鉄を摂ることができます。
今回は冷凍ほうれん草を使うため、あっという間に完成します。冷凍ほうれん草は、コンビニで1袋(150g程度)100~150円ほどで手に入ります。
材料(1人分)
冷凍ほうれん草・・・100g
味付け海苔・・・1袋(5枚入り)
めんつゆ・・・小さじ2
白すりごま、ごま油・・・各小さじ1
作り方
①冷凍ほうれん草を耐熱容器に入れ、ラップをして電子レンジ(600W)で2分加熱する。サッと水をかけて冷まし、水けをよくしぼる。
②①にちぎった海苔、めんつゆ、白すりごま、ごま油を混ぜ合わせる。
ポイント
めんつゆの代わりに、鶏がらスープの素(小さじ1/2)としょうゆ(少々)を入れるとナムル風になります。
貧血対策の簡単レシピを2つご紹介しました。一人暮らしだと食事が偏りやすくなってしまいますが、手軽に食べられるものを使って、貧血対策をしっかり行いましょう。
参考:厚生労働省 eヘルスネット「貧血の予防には、まずは普段の食生活を見直そう」,厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)「微量ミネラル」