台風や豪雨の風水害に襲われたとき、一人暮らし女性のみなさんが気になるのは「避難するかどうか」ですよね。避難指示が出てからでは遅い場合もあるので、情報を集めて自分で判断することが大切です。
この記事では情報の集め方をはじめ、避難するしないに関わらず、当日の過ごし方で注意することをまとめています。
みなさんこんにちは、カーサミアライターのえなです。防災士という防災系の資格保有者である私が、防災に関する疑問を解決していきます!
今回は、台風などの風水害に関する知識や対策に関して、3記事に渡り紹介していきます。連載3回目となるこの記事では、風水害の正しい知識や事前の対策とともに大切な、風水害当日の過ごし方や避難について紹介します。
いざという時に安全に行動が取れるよう、当日の過ごし方や避難について学んでいきましょう。
風水害当日の過ごし方
台風・大雨・ゲリラ豪雨などの風水害にあってしまった際、一人暮らし女性はどう対処したらいいのでしょうか?
ここでは、当日の過ごし方について紹介していきます。
災害の情報を確認する
当日絶対に行ってもらいたいのが、災害情報の確認です。災害情報では、被害状況や避難状況を確認できるため、今後どのように行動すればよいのかがわかります。事前に、自分に降りかかる危険を察知することもできますね。
災害情報は、TV・インターネット・ラジオなどで確認が可能です。
▼活用できるサイトの一例
【正確な災害情報】
・気象庁HP
・国土交通省防災情報提供センター ※携帯用
・NHKニュース
・気象会社の情報提供サービス
・都道府県や市町村の情報提供サービス
【リアルタイムの災害情報】
・TwitterなどのSNS
(「地域名・災害種別」などで検索)
※SNSで情報を入手する際には、真実でない情報が紛れている可能性があるため、よく注意してください
外出は控える
風水害の際には、河川の氾濫など大雨や暴風により事故に巻き込まれる可能性があるため、一人で外出するのは危険です。不用意な用事や、コンビニなどの買い物での外出も控えるようにしましょう。
どうしても外出しなければいけない際は、道路が冠水した場合、マンホールや側溝の蓋が外れて下へ落下する危険性があることを覚えておいてください。
室内でも窓の周辺に近づかない
万が一、窓が割れるかもしれないということを想定して、当日は部屋の窓の近くでは過ごさないようにしてください。暴風により何らかのものが飛ばされてきて、勢いよく窓にぶつかるという可能性も考えられます。
エレベーターは使わない
停電が起こってしまった場合、エレベーターが動かなくなり、閉じ込められる可能性があります。そのため、マンションなどの建物内を移動する際には、階段を使用するようにしてください。
地下や地面より低い場所には行かない
地下などの地面より低い場所は、大雨やゲリラ豪雨により冠水する可能性があります。また地下室などは、水圧で扉が開かなくなる危険性も。そのため、2階以上の安全な建物に避難することが望ましいです。
浸水した場合、水がひざ下に届くまでに避難する
浸水してしまった際に歩行可能なのはひざ下までの水位と言われています。
ですが女性の場合は、水がひざ下よりも低かったとしても強い流れだと歩行できない可能性があり危険です。少しの浸水なら大丈夫と思わずに、速やかに高台や安全な建物へ避難が必要です。
風水害とともに気をつけるべき災害
大雨や暴風などの風水害とあわせて、気をつけてほしい災害も紹介します。このような災害が同時に起こる可能性があることも覚えておきましょう。
落雷
大雨や暴風とともに、落雷が発生する可能性があります。以下のような場所や物に、落雷が発生しやすいため注意してください。
・木・電柱など高く突き出たもの
・傘や釣り竿などの身体より高く持っているもの
・山頂などの高い場所
・プール・ゴルフ場・海・広っぱなど開けた場所
オフィス街や街中の場合は、安全な建物の中へ避難してください。近くに建物がない場合は、車の中に避難しましょう。
土砂災害
大雨により地盤が緩むと、土砂災害が発生する危険性があります。崖にヒビが入っていたり、小岩が落ちてきたり、山鳴りがしている場合、土砂災害の前触れの可能性があるため避難が必要です。
土砂災害の危険性があるのは山林などがある田舎のイメージがありますが、都会であっても危険性があります。例えば東京都23区であっても、土砂災害警戒区域に指定されている場所がいくつもあるのです。
都会の場合は、土砂崩れよりもがけ崩れに注意が必要。ちょっとした斜面や、擁壁などにも中止してください。
竜巻
竜巻は季節を問わず発生しますが、7月から10月の台風シーズンの中でも特に9~10月の台風シーズンに発生しやすいです。がれきや看板など、周辺のさまざまなものが空中に巻き上げられて危険なため、安全な建物の中へ避難してください。
竜巻発生時に危険な場所・注意すべき飛散物
竜巻発生時には、以下のような場所や飛散物に気をつけてください。倒壊したり、飛んでくる可能性があります…!
◆転倒・倒壊などの危険な場所
・車庫、物置、プレハブ、トタンの建物
・電柱や木の近く(太い木でも倒壊の危険性あり)
・屋内であっても窓や壁の近くは危険
・橋の近く(橋は倒壊する危険性あり)
・河川の近く(飛ばされて流される危険性あり)
・車の中(弱い竜巻でも車が横転、強い竜巻になると空中に舞い上がり地面に叩きつけられる危険性あり)
◆注意すべき主な飛散物
・瓦やがれき
・建物や地面に設置された看板
・窓ガラスなどの破片
避難について
被害が大きい場合、時には避難しなければいけない場合もあります。身の安全を守りながら素早く行動できるように、風水害による危険が迫ったときどのように避難すればよいか、またいつ避難すればよいかを覚えておきましょう。
避難情報はどのように伝達されるのか
避難情報が発令された場合、市町村や消防により防災行政無線や広報車で伝達が行われます。暴風や大雨により、これらの伝達が聞き取りにくい場合があるため、TV・インターネット・ラジオで情報を確認しておくことも大切です。避難情報の指示に沿って行動しましょう。
特におすすめなのがラジオ。TVやインターネットが停電などにより使えない際でも電池・ソーラー・手動で動いてくれる商品があります。「一人で災害に遭遇し、その上情報も確認できない」という不安な状態を避けるためにも、一人暮らしの女性にはラジオを一台持っておいてほしいです!
避難するタイミングは
警戒レベル5が発令される前の、警戒レベル3(高齢者等避難)・警戒レベル4(避難指示)で避難することが重要です。また、これらの警戒レベルは、必ずしも段階を追って発令されるわけではないため、警戒レベル3が発令される時点や、少しでも危険を感じたら、発令を待たずに避難することが大切です。
令和3年5月20日の避難情報に関するガイドラインの改定で、「避難勧告」は廃止されました。
遅くとも「避難指示」で避難してください。
各警戒レベルに関しては、「大雨注意報・洪水警報・早期注意情報などが出たらやること一覧【一人暮らし女性の風水害対策②】」で詳しく解説しています。
どこに避難すればよいのか
避難する場合、まずは市町村が指定している指定緊急避難場所に向かいましょう。指定緊急避難場所の確認は、居住エリアのハザードマップやインターネットから行うことができます。
指定場所まで向かえない場合
指定緊急避難場所に向えない場合は、親戚や友人宅など近隣の安全な場所へ避難してください。また、すでに災害が発生していて立退き避難ができない場合は、その建物内で最も安全な場所に避難しましょう。
避難所への避難については、下記の記事でも詳しく扱っています。
3記事に渡り、風水害について紹介しました。一人暮らしの女性の場合、災害時にどこに避難すればよいかを知っている方は少ないのではないでしょうか。また、居住エリアのハザードマップを確認したことがない方も多いかもしれません。
しかし、「知らない」ということが時には、自分の命を危険にさらす可能性もあります。風水害に限らず、自然災害は決して他人事ではなく、いつ自分の身に降り掛かってもおかしくないということを理解しておきましょう。
そして、いざというとき「どうしたらいいかわからない」「行動できない」とならないためにも、災害への正しい知識を持って、災害への備えや対策を行ってくださいね。
台風・大雨・豪雨の対策、全3回でお届けしました。
連載を最初から読むなら、こちらをどうぞ。