台風や地震で電車が運休…帰れないときはどうしたら?【防災士解説】
社会人であれば、日中は会社など自宅以外で過ごしていることが多いでしょう。そのため、自宅に居る際だけでなく、外出中に災害にあってしまう確率は十分高いですよね。今回は、防災士という防災系の資格保有者である私が、「災害で自宅に帰れないときどうすればいいのか」について紹介します。とくに都心部では、災害が発生し交通機関がマヒした場合、多くの帰宅困難者が発生することが予想されます。帰宅困難者とは、自宅までの距離が遠く徒歩での帰宅が困難な人のことを指します。外出中に予期せぬ災害にあってしまい、交通機関がマヒし帰れなくなってしまったとしても、むやみに移動しないように心がけることが大切です。なぜなら、多くの人が一斉に帰宅しようとすると、駅周辺や路上などで大混雑が発生する可能性があるためです。もし、大混雑に巻き込まれた場合、集団転倒にあうなどのリスクが伴います。そのほかにも、混雑により緊急車両が通れなくなり人命救助にも支障がでる可能性も。まずは、外出中に災害が発生した際にはまず身の安全確保を行い、スマホで正しい災害情報や交通情報を入手することから始めましょう。交通機関が復旧するまでの滞在場所としては、一時滞在施設・災害時帰宅支援ステーション・職場などが考えられます。災害時帰宅支援ステーションは、一時滞在施設とは異なり、物資(食料、毛布またはブランケット等)の提供は受けられないことが特徴です。待機場所を探しているのであれば一時滞在施設のほうが適切です。もし、職場にいる最中や職場付近で災害が発生した際には、原則職場で3日程度待期しましょう。災害発生から3日程度は救助活動が優先されるため、混雑した状況が続くことが予想されるためです。もし、交通機関の復旧を待たず自力で自宅に帰宅するのであれば、「安全に」「自力で」「歩いて」帰れることが条件です。しかし、基本的には歩いて帰ることは推奨しません。途中で食料・水が足りなくなること、トイレが使えないこと、女性の場合は夜のひとり歩きは危険なこと、余震の心配があることなど、さまざまな問題が考えられるためです。しかしペットを飼っているなど、地震の際に絶対に自宅に帰らなければならない理由がある方もいますよね。その場合は、徒歩帰宅の訓練を事前に行うことをおすすめします。実際に、職場から自宅まで帰宅経路を歩き、沿道の様子を確認したり、帰宅支援マップ等を見て休憩場所などの確認を行ったりしましょう。また、地震の影響で通行不能になる道が出ることも考え、2通り以上のルートを用意しておくといいです。都心部では、災害時に大勢の帰宅困難者が見込まれることから、「帰宅困難者対策訓練」を実施している場合もあるため、各自治体の情報を確認してみてください。