賃貸の不動産会社が教えてくれないお部屋の選び方 >

「地震のとき机の下に隠れる」は正解?防災士ならこうします!

防災
この記事は約6分で読めます。
記事内に広告が含まれています。
スポンサーリンク

子どもの頃、避難訓練の際に「地震のときは机の下に隠れる」と習った方がほとんどでしょう。そのため、地震の際には机の下に隠れるのが正解だと思っている方が多いと思います。しかし、本当に正しい行動なのでしょうか?

こんにちは、カーサミアライターのえなです。防災士という防災系の資格保有者である私が、防災に関する疑問を解決していきます。

今回は、「地震のとき机の下に隠れるは正解?」という疑問にお答えします。地震の際に、間違った行動を取らないためにも、安全な身の守り方を学びましょう。

スポンサーリンク

質問:「地震のとき机の下に隠れる」は正解?

「地震のときは、頭を守るために机の下に隠れる」と小学校で教わりましたが、隠れた机の上に色々落ちてきたら出られなくならないか不安です。
隠れるよりも出口に近づいた方が、助かる・見つけてもらえる可能性が高いのではないでしょうか?

かさみやちゃん
かさみやちゃん

そもそも学校と違って、自宅には隠れられる机がないこともありますよね。では、ほかにどのように地震の際に安全に身を守れるのか、方法を伺ってみましょう!

えな
えな
答えてくれたのは…

関西でフリーランスWebライターとして活動しているえなです。大学時代は防災について学んでおり、防災士の資格を持っています。

えなさんをフォローする

回答:地震の強さなど状況によって「正解」は異なる!

地震の際は、机の下に隠れるのではなく「玄関などの安全ゾーンへ退避」が原則|イメージ画像:イラストAC

子どもの頃の避難訓練の際などに習った、「地震のとき机の下に隠れる」という対策。地震の際に身を守るための行動として間違ったものではありませんが、地震の強さや自身がおかれている状況によっては最適な行動ではない場合があります。

スポンサーリンク

地震の際の適切な身の守り方、3選

「地震のとき机の下に隠れる」という行動はどんなときでも適切というわけではない…となると、どのように行動すればいいのでしょう。適切な身の守り方を紹介していきます。

「玄関などの安全ゾーンへ退避」が原則

地震の際は、机の下に隠れるのではなく「安全ゾーン」へ退避することが原則です。安全ゾーンとは、家具の転倒・落下物・ガラスの飛散などの心配がなく、閉じ込められない場所のことを指します。

自宅の中では、「玄関」が安全ゾーンの条件に当てはまりやすく、構造上頑丈であることや、ドアを開ければすぐに外への避難経路が確保できることから、地震時に比較的安全な場所とされています。

そのため、地震発生時には玄関に退避し姿勢を低くして身を守りましょう。また、地震の影響でドアに歪みが生じ開かなくなる可能性もあるため、退避すると同時に玄関のドアを開けて避難経路を確保することも重要です。

トイレは安全ゾーン?

玄関以外にも、家具の転倒などのリスクが少ない「トイレ」も安全ゾーンとして挙げられることがあります。

昔の住宅のトイレであれば、四方に丈夫な柱が設置されており、玄関同様に構造上頑丈な造りでした。しかし、近年の建築ではトイレに柱がない場合が多く、密室であるためドアが変形し閉じ込められやすいことなどからも、安全ゾーンとはいい難い場合があります。

例外1:「机の下に隠れる」のが適切な場合

安全ゾーンへ退避する余裕がないなど、身を守る方法がない場合は机の下に隠れるしかありません。また、学校などの耐震性の高い建物にいる場合は、机の下に隠れる行動も適切と言えます。

机の下に隠れる際には、揺れがおさまるまで机の脚にしっかりつかまりましょう。また、揺れがおさまったらドアや窓を開けて、閉じ込められないように避難経路を確保してください。

地震の揺れが大きい場合は、机ごと飛ばされる危険性があります。そのため、机に移動防止対策を行ったり、机の下のカーペットなどに滑り止め対策を日頃から行っておくことも大切です。

例外2:「建物の外へ逃げる」のが適切な場合

強い地震の場合、机の下に隠れたとしても机ごと飛ばされたり、固定されていない机の場合はぶつかって怪我をしたりとかえって危険な場合があります。また、古い木造家屋などの耐震性のない建物の場合、倒壊したり天井が崩れたりして閉じ込められる可能性も。

強い地震や耐震性のない建物の場合は、机の下に隠れていても、崩れてきたものに机が耐えきれず潰れてしまい圧死する危険性もあります。室内の安全ゾーンへの退避も危険がともなう可能性があるため、外部の安全ゾーンへ避難するのが適切です。

一刻を争う事態の場合、素早く外に避難することが大切ですが、外へ避難する際には上からの落下物に注意を払いながら避難しましょう。また、ヘルメットなどを着用し頑丈なもので頭を守ることも大切です。

スポンサーリンク

日頃から行える地震対策

安全ゾーンや避難経路の確保、家具の転倒防止、耐震性のあるマンションに引っ越すなどの地震対策を行う|イメージ画像:イラストAC

地震の際に、適切に身を守るためにも日頃から行える地震対策を紹介していきます。

安全ゾーンや避難経路の確保

地震時に必ずしも最も適切な安全ゾーンである玄関に退避できるとは限りませんよね。そのため、家具を設置しないなど物を何も置かない空間を作り、玄関以外の安全ゾーンを作っておくことも大切です。

また、地震の際にすぐに退避できるよう、廊下やドアの周辺などの避難経路となる場所に物を置かないようにしましょう。そのほかにも、トイレ・お風呂・寝室など普段から室内のドアは少し開けておくようにすることで、避難経路を常に確保でき、閉じ込められるリスクを軽減できます。

家具の転倒防止やガラスの飛散対策を行う

地震の際に、家具が転倒したりガラスが割れて飛散してしまったりと、身動きが取れず逃げられないという状態も考えられます。そうならないためにも、家具の転倒防止ガラスの飛散対策を日頃から行っておきましょう。

転倒防止が必要な家具や、転倒防止グッズ・飛散防止グッズを知りたい方は、「防災のプロおすすめの防災グッズ商品リスト。備えて安心、地震対策」をご覧ください。

耐震性のあるマンション・アパートに引っ越す

現在住んでいるマンション・アパートが新耐震基準に適合していない場合、地震で倒壊するリスクが高いです。そのため、今後引っ越し予定がある場合は、震度5強程度の地震では建物に損傷が出ないとされている「新耐震基準」に適合したマンション・アパートに引っ越しましょう。

防災士「引越しのときはコレを見て」災害リスクの調べ方・引越し先の選び方」では、引っ越し先の災害リスクの調べ方を紹介しています。引っ越し予定の方は、あわせて参考にしてください。

子どもの頃に習った地震の際は「机の下に隠れる」という行動は、学校内では必ずしも間違ったものではありません。しかし、自宅で地震が発生した際には「安全ゾーンである玄関に退避する」がもっとも適した行動です。

安全ゾーンである玄関に素早く退避するためには、避難経路となる場所には物を置かないなど日頃からの対策も重要になるため、ぜひ一度自宅の家具配置などを見つめ直してみてください。

過去の記事では、「地震で閉じ込められたら?」「入浴中に地震が来たら?」など、地震に関するさまざまなテーマを紹介していますのであわせてご覧ください!

地震でドアが開かない!?非常時の対処方法と、閉じ込め予防策【防災士が解説】
室内で地震に遭遇した場合、ときにはドアが開かず閉じ込められてしまう場合もあるでしょう。気象庁の地震の震度解説によると、震度6弱で「ドアが開かなくなることがある」とされています。災害の影響により、自宅などの室内に閉じ込められてしまった場合、どうすればいいのかわからないですよね。そこで、今回は地震でドアが開かない場合の対策を複数紹介します。ドアが開かない場合、まずは窓やバルコニーなど、ドア以外の脱出経路を探しましょう。地震の影響で窓ガラスが割れる場合もあるため、揺れが完全に収まり安全が確保できた状態で脱出経路を確保することが重要です。マンションの1階に住んでいる場合は、窓またはバルコニーからそのまま避難してください。2階以上の場合は、避難ハッチや蹴破り戸などの避難経路が設けられているならバルコニーを利用しましょう。避難ハッチがある場合は下の階まではしごで降ります。また、蹴破り戸しかない場合は、蹴破って隣の家から避難してください。蹴破り戸を破る際には、危険がないように靴を履いて実行しましょう。もし、ドア以外から脱出できない場合は、救助を待つことが次善の選択になります。大声を出して助けを求めると体力が削られてしまうため、防災用ホイッスルを用いて助けを求めましょう。またホイッスルがない場合は、ドア・壁・床などを堅いもので叩いて周囲に助けを求めるといった方法や、携帯など音の出るもので助けを求める方法もありますね。しかし、火災や津波が迫っている場合など、救助を待てない状況も考えられます。いざというときはドアをこじ開ける必要があります。バールを使う方法や、代わりになりそうな道具を使う方法が考えられます。しかし、歪んだドアを開けるためには何十キロと力が必要になることもあります。ドアの歪みが酷い場合は、時には何百キロという力が必要になることも。そのため、ドアの歪みが大きい場合、ドアをこじ開けられる道具があったとしても、女性に限らず自分ひとりの力ではどうしようもないこともあります。ですので、閉じ込められないための対策を考えておくことが必要です。地震で閉じ込められるというリスクを下げるために、次のような対策を事前に行いましょう。(1)耐震性のある家に住む:地震で閉じ込められない一番の対策として、耐震性のある家に住んでおくことが挙げられます。また、耐震仕様のドアが取り付けられている場合、閉じ込められる確率がさらに低くなるでしょう。(2)地震の揺れが収まったらすぐに避難経路を確保する:地震が来たらまずは、ドアを開けて避難経路を確保することを覚えておきましょう。始めはドアが開けられる状態でも、地震の影響で徐々に歪みが生じ、あとからドアが開かなくなる可能性もあります。そのため、一度開けたドアは必ず閉じないように気をつけてくださいね。(3)室内のドアは普段から開けておく(4)ドアの周辺には物を置かない(5)地域住民との関係性を築いておく いざというときに冷静に行動するためにも、脱出方法をしっかり知識として覚え、なにより閉じ込められないために耐震性の高い家を選びましょう。
家にいたら地震!どうする?入浴中・料理中…NG行動を知って地震対策
お料理中、入浴中、就寝中など、家での活動は時間とタイミングにより様々なシーンがあります。特に一人暮らしの場合は、まさかというときに地震が発生したら…と思うと、不安ですよね。そんな予想外タイミングで地震に遭遇してしまったときに、どのように「身を守り、避難すればいいのか」を知っておくことが、自分を守ることにつながります。すべてのシーンで共通することですが、まず大事なのは「あわてて戸外に飛び出さないこと」。その上でそれぞれの身を守る方法を活用してくださいね。自宅で地震に遭遇したら、まずは身の安全を守るとともに、閉じ込められないように部屋の扉・玄関の扉を開けることが重要です。そして、自宅の中では一番安全ゾーンとされている「玄関」へ避難すること。玄関は、建物の構造的に一番頑丈であり、すぐに外に逃げられるということもあり閉じ込められる可能性が低いのです。そのため、玄関が一番安全ゾーンと言われています。リビングでくつろいでいるとき、キッチンで料理中、トイレやお風呂に入っているとき、寝室での就寝中、それぞれのシチュエーション別に行動シュミレーションをお伝えしています。
タイトルとURLをコピーしました