災害は必ずしも自宅に居る際に起こるとは限りません。時には外出先で被災してしまう場合もありますよね。そんな際に、自宅から離れた場所にある避難所を利用していいの?と思う方も多いのではないでしょうか。
こんにちは、カーサミアライターのえなです。防災士という防災系の資格保有者である私が、防災に関する疑問を解決していきます。
今回は、「避難所はどこでも利用できるのか」に関して紹介します。外出先で被災した場合に、「どこに避難したらいいの?」とならないためにも、避難所に関する正しい知識を身に着けていきましょう。
質問:災害時はどこの避難所に行ってもいいの?
いざ避難しなければならなくなったとき、どこの避難所に行ってもいいのでしょうか?たとえば外出先で家の近くの避難所に行けない場合など、ほかの地域の避難所に行ってもいいのでしょうか?
居住地以外の避難所を利用する場合、「地域住民じゃないから断られるのでは?」と少し怖いですよね。災害時はどこの避難所を利用してもいいのか伺ってみましょう!
回答:災害時はどこの避難所に行っても大丈夫!
災害時は、自分が住む市町村にある避難所でないと滞在できないと考える人も多いでしょう。
しかし、基本的には住所などは関係なく、どこの避難所でも滞在が可能です。そのため、もし外出先で災害が発生した場合には最も近い避難所へすぐに行きましょう。
自宅周辺の避難所を確認しておくことはもちろん、外出先で災害が発生した場合に備え、職場周辺・通勤経路周辺などの避難所もチェックしておいてください。
避難所の調べ方を紹介
避難所は、ハザードマップや各自治体HP、以下のようなサイトから確認が可能です。いつでもスマホで確認できるようにブックマークしておきましょう。
【避難所が確認できるサイト】
・国土交通省「地理院地図」
https://maps.gsi.go.jp/
・国土交通省「重ねるハザードマップ(ハザードマップポータルサイト)」
https://disaportal.gsi.go.jp/
・Yahoo!「避難場所マップ」
https://crisis.yahoo.co.jp/map/
・NAVITIME「全国の避難場所一覧」
https://www.navitime.co.jp/category/0511004/#research-section
また、防災アプリでも避難所の確認が可能です。
アプリの中には、外出先でもし現在地がわからないという場合に現在地周辺の避難所や避難場所を自動検索してくれる機能や、オフライン状況下でも地図の利用が可能なものもあります。
そのため、事前にどれか一つでもいいのでアプリをダウンロードしておくことをおすすめします。
【避難所が確認できるアプリ】
・防災情報「全国避難所ガイド」
http://www.hinanjyo.jp/
・東京都防災アプリ
https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/1005744/index.html
避難所には2種類の区分がある!違いを理解しておこう
避難所には、「指定避難所」「指定緊急避難所」という2種類の区分があることをご存知でしょうか。いざという災害時に、どこに行けばいいのか迷わないためにも違いを理解しておきましょう。
避難所の区分1 指定避難所
「指定避難所」とは、災害が発生した際に避難してきた住民等が、災害の危険がなくなるまで一定期間滞在できる施設のことです。また、災害により自宅に戻れなくなった住民等が一時的に滞在できる施設でもあります。
市町村が指定する学校・公民館などが指定避難所として定められています。また、指定避難所には定員数が設けられているため、人口が多い都市などでは満員となってしまう場合もあります。
避難所は基本的に、居住地などは関係なくどこでも利用可能なため、満員の場合には別の指定避難所に行きましょう。
避難所の区分2 指定緊急避難所
指定緊急避難所とは、災害から命を守るために緊急的に一次避難できる場所のことを指します。洪水・地震・津波・火山など災害の種別によって指定されており、災害発生時にはその災害に対応している場所へ避難しましょう。
また、指定緊急避難所へ避難した後は、状況に応じて指定避難所へ移動することになります。
避難所以外への避難も検討しておこう
「避難所が満員で利用できない」という場合や、何らかの理由で「避難所へ行くのは避けたい」という場合もあるでしょう。そのため、可能であれば避難所以外の避難場所も念のため検討しておきましょう。
親戚や友人宅
安全な親戚宅・友人宅が周辺になるのであればそこへ避難する手もあります。ただし、災害時にスムーズに避難行動ができるよう、普段から災害時に避難することを相談しておくことが大切です。
職場
職場や職場周辺で被災した場合、安全なら職場へ避難する手もあります。職場であれば、トイレや水道などの水回りの環境も整っていますし、食料・飲料水等が備蓄されている場合もあります。
職場ではどのような防災対策が行われているのかを事前に確認しておき、職場へ避難する場合も想定し、必要なものを普段からデスクやロッカーに備えておきましょう。
ホテルや旅館
「人が密集しているところが苦手」「感染症のリスクを避けたい」など避難所へ行くという選択が取れない場合や避けたい場合には、安全なホテルや旅館へ宿泊するという手もあります。
ただしこの場合、宿泊料がかかることと、同様に帰宅困難となった被災者による予約が殺到することが予想されるため迅速な行動が必要です。
災害時は、自分が住んでいる市町村にある避難所だけしか利用できないわけではなく、基本的にどこの避難所でも利用が可能です。
そのため、職場など普段よく外出する場所の周辺にある避難所もチェックしておきましょう。災害時に周辺の避難所をすぐに検索できるように、サイトをブックマークしておいたり防災アプリを入れておいたりすることも大切です。
また、外出先での災害も想定し、普段から防災ポーチを持ち歩いたり、職場にも防災グッズを備えておいたりすることも大切です。
過去の記事では、「外出先で災害に遭遇し帰れなくなった場合どうすればいいのか」「外出先での地震対策」「避難所生活はどう過ごせばいいのか」なども紹介しているのであわせてご覧ください!