「一人暮らし女性のおうちライフを快適に!」がテーマのライフスタイルマガジン「カーサミア」では、一人暮らしに関するエッセイを公開しています。
経理の経験で学んだ「お金の流れ」
新入社員の頃は、自分のお金について何も気にしていませんでした。
転機は一年後の、経理部への異動でした。会社の支払い管理やキャッシュフロー作成を任されるようになると、次第に自分のお金にも興味が湧き始めました。
当時の私は一人暮らしを始めたばかりで、毎月実家にいくらか送金もしていたため、貯金はほとんどありませんでした。
経理の仕事をしていると、常に「お金の流れ(=キャッシュフロー)」を考えていることが分かりました。
今月いくら売り上げて、いつ入金されるのか。
逆にいくら仕入れて、いつ支払うのか。
そして経費はいくら発生して、いつ支払うのか、などです。
これは貯金や節約といった、自分のお金の管理に活かせそうだと思いました。
そこで、来月以降の自分のお金の流れを、3か月先まで予測してみたのです。
額面のお給料から、まず所得税や住民税、保険料などを差し引きます。その手取り金額から、家賃・光熱費・通信費を差し引き、いくら残るかを、3か月先までエクセルに書いてみました。
そこからさらに交際費や洋服代、雑費など思いつく限りの必要経費を差し引くと、残りは7万円ほど。ここから実家への仕送りや、自分の趣味の活動にお金が回せます。
しかし、なかなかうまくはいかないものです。
意外なタイミングで電化製品が故障したり、自転車を盗まれたりするのです。
そのとき「ボーナス」に助けられました。正社員で本当に良かったと思いました。
私は今後3か月のお金の予測にボーナスを組み込むことにしました。
「いつなら高額なものを買えるか」「いつ我慢するべき時期か」が明確になりました。
すると、不思議なことに心構えが変わりました。
「給料日前はお金がない」と思って我慢すること。
きちんとお金の流れを踏まえた上で「今は我慢するべき時期」と思うこと。
似ているようで全然違います。「次にお金が使える時期」まで、前向きに過ごせるようになりました。
大きなお金の流れを知っておくと、「使うべき時期」「使わない時期」が明確になるので、生活にメリハリが出ます。
「来月は旅行に行きたいから、残業代を稼ぐために今月はこれくらい残業しよう」とズルい計算をしたこともあります。(もう時効だと思うので告白します。)
こうした考え方は、転職にも役立ちました。
「どのくらいの給与アップを目指して転職したらよいか」をお金の流れで考えます。すると、現職のうちに資格を取得しておこう、もっとこのキャリアを積んでおこうと逆算できました。
一年がかりの計画を立てた結果、成功といえる転職が叶いました。
退職金は全て貯金に回すことができたので、確実に貯金も増えました。
お金の管理というと、つい毎日の食費や電気代を節約することばかり目がいってしまいます。
でも数か月先まで自分のお金の流れを可視化すると、毎日せこせことしなくても上手にお金が使えます。
使っていい時期、我慢する時期が分かるからです。
家計簿をつけるのは面倒くさいですが、お金の流れを見るなら大まかな数字が分かればよい良いので簡単です。
お金の流れ(=キャッシュフロー)を見ることを、みなさんにもおすすめしたいと私は思っています。
(エッセイ投稿者:Kay/女性)
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