災害時は何が起こるかわからないため、万全の準備をして避難所へ向かいたいですよね。そのため、ついつい避難時の荷物が多くなってしまっているという方も多いのではないでしょうか。
こんにちは、カーサミアライターのえなです。防災士という防災系の資格保有者である私が、防災に関する疑問を解決していきます。
今回は、「避難時の着替えや荷物の量」に関して紹介します。避難時の荷物の量は多いほど良いというわけではありません。その荷物を持って素早く避難できるか、避難所のスペースに収まるかなども考え、適切な量の荷物を災害時に向けて用意しておきましょう。
質問:避難時の着替えは何日分?適切な荷物の量は?
台風で避難する場合、女性はどれくらいの着替えや荷物を持っていけばいいのでしょうか?
また、避難所は一人あたりの場所が決まっていると聞いたのですが、いざ避難してみたときに荷物が入らないと断られるなど、多すぎて困ることはありますか?
避難所には何日分の着替えや荷物を持っていけばいいのかわかりませんよね。また、荷物が多すぎても問題はないのか伺ってみましょう!
回答:避難時の着替えは1日分。荷物は走って逃げられる重さまでに
避難時に持っていく着替えの枚数や、荷物の量に関して紹介していきます。
避難時の着替えは何日分用意すればいいのか
緊急性を要する一次避難用には「1日程度」、
一次避難の後に避難所にて長期避難する二次避難用には「3日〜1週間程度」
過ごせる着替えを用意するといいでしょう。
災害後にすぐに二次避難用の荷物を自宅に取りに帰れるとは限らないため、衛生的に過ごせるよう、一次避難用には下着を多めに用意しておくと安心かもしれません。
また、二次避難用に1週間分の着替えを用意するとなった場合、下着などの枚数が足りないという方もいるのではないでしょうか。その場合には、洗濯グッズを合わせて用意するといいでしょう。おりものシートを利用して同じ下着を数日利用したり、100円ショップなどで使い捨てパンツをリーズナブルに揃えたりしてもいいですね。
避難時の荷物の重さの目安
緊急性を要する避難時に持ち出す荷物は、基本的に走って逃げられる重さまでにしましょう。
実際に荷物を持って避難所までの道のりを走れるかシミュレーションし、自分の体力にあった重さの荷物を用意してください。一般的に女性の場合は10キロ程度の荷物が目安と言われているため、まずはこれを参考に用意してみてください。
また、実際にシミュレーションした結果、荷物が重すぎる場合には「一次避難用」「二次避難用」に中身を分けて用意するのもおすすめです。以下の記事では、一次避難用・二次避難用の分け方を紹介しているので合わせてご覧ください!
一人当たりの避難所のスペースを考えて荷物を用意する
台風は予め被害が予想できる災害のため、余裕を持って事前避難できます。そのため、自宅と避難所を往復してたくさん荷物を運び込めるという場合もあるのではないでしょうか。
もし、避難の時間に余裕があり、できるだけたくさんの荷物を持ち込みたいという場合には、避難所の一人あたりのスペースを考慮して荷物を用意するのがおすすめです。
予め定められた避難所の一人あたりのスペースは、各自治体により異なっているため、事前に調べておくといいでしょう。
避難所に持っていくのにおすすめの着替え
一人暮らしの女性が避難所に持っていくのにおすすめの着替えを紹介していきます。
黒や紺の動きやすいジャージ
避難所では、支援物資の配布や救助活動など動き回ることが多い場面もあります。そのため、動きやすい衣類を用意しておくと役立つでしょう。
特にジャージは、洗濯した際に乾きやすく、寝る際にも使いやすいためおすすめです。また、汚れが目立ちにくいように黒や紺色のジャージがいいでしょう。
カップ付きのインナー
避難所は、男性の目がある中で洗濯を行わなければならない場合があります。また、不特定多数の人が出入りすることから、盗難が起こる場合もあります。
そのため、見た目で下着だとわかりにくい、カップ付きのインナーを用意しておくのがおすすめです。
ボクサータイプの下着
カップ付きのインナーと同様に、洗濯がしやすかったり、盗難の被害を防止したりするために、ひと目では女性物とわかりにくいボクサータイプの下着を用意するのがおすすめです。
また、色は黒や紺を選択することで、万が一生理になってしまった場合にも汚れが目立ちにくいでしょう。
荷物の量により避難所に入れないことはあるのか
荷物の量が多いことで、避難所の受け入れを断られたという事例は見かけたことがありません。また、自治体などでも避難所に持ち込む荷物の量に関する決まりは明記されていません。
しかし、避難所は他の地域住民と共同生活を送ることになる場所です。そのため、周囲の人に迷惑をかけない常識の範囲内で荷物を持ち込むようにしましょう。
避難所への持ち込みが禁止な物には注意が必要
避難所へ持ち込むのが禁止されている物を所持している場合には、避難所の受け入れを断られる場合があるかもしれません。
避難所でプライバシーを確保するために、テントを持参したいという方もいるかもしれませんね。しかし、避難所の人数が多い場合や避難所のスペースが狭い場合など、避難所によってはテントの持ち込みが不可な場合もあります。
その他にも、ペット・酒類・火器類や、他の利用者への配慮にかけるものや危険と判断されたものなど、自治体によっては避難所に持ち込むことが禁止されているアイテムがあります。
荷物の量だけを考慮するのではなく、禁止されている物を避難所に持ち込んだりしないように、事前に自治体のホームページで禁止事項などを確認することをおすすめします。
避難所での過ごし方は下記記事も参考にしてくださいね。
避難時の荷物の量が多いと困ること
災害の被害規模によっては、長期間避難所で生活を送ることになるかもしれません。そのため、「前もって避難時にたくさんの荷物を持ち込んでおけば安心では?」と感じる方もいるでしょう。
しかし、荷物が多いことで次のような弊害が生まれることも覚えておきましょう。
逃げ遅れる可能性がある
台風は予め被害がある程度予想できる災害です。そのため余裕を持って事前に避難する場合には、一度に沢山の荷物を持って避難しても危険は少ないかもしれません。
しかし、雨や風がすでに強くなっていたり、避難情報や気象警報がすでに出ている中での避難であったりする場合、沢山の荷物を持っての避難はリスクを伴います。
最悪の場合、逃げ遅れて被害に巻き込まれる可能性もあるため、緊急性を要する避難の場合には基本的には走って逃げられる重さまでに留めるようにしましょう。
避難所のスペースが狭くなる
避難時の荷物が多いからと言って、他の人よりもスペースを広げてもらえるわけではありません。
予め、一人当たりに決められた避難所のスペースがあるため、荷物が多ければ多いほど自分の過ごすスペースは狭くなってしまうことが考えられます。自分が座ったり、寝転んだり生活ができるスペースも考えて荷物は用意するようにしましょう。
荷物の管理が大変
避難所は不特定多数の人と共同生活を送ることになるため、自分の荷物は自分で管理しなければならず、荷物が多いとその分管理も大変になります。
また、災害時は混乱に乗じて犯罪が発生しやすくなる傾向にあります。避難所では、盗難にも注意しながら荷物の管理が必要になってくるでしょう。
災害時は何が起こるかわからないため、できるだけ万全の準備を行いたいですよね。しかし、体力面や避難所のスペースのことを考えると、持っていける荷物にはどうしても限度があります。そのため、あれもこれもと用意するのではなく、荷物を必要最低限に収めることも大切です。
過去の記事では、非常用持ち出し袋の中身が入り切らなかったり、重たすぎたりする問題を解決する記事も紹介しているので、ぜひあわせてご確認ください!