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就職氷河期世代。手取り14万を耐えて続けた貯金が、人生を変えた【一人暮らしエッセイvol.106】

一人暮らしエッセイ
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1カ月1万円から始めた貯金

就職氷河期と言われる世代だった私。
専門学校在学中も求人がなく、卒業後は高校生のときからアルバイトを続けていた飲食店に契約社員として就職。一人暮らしをしながら働いていました。
当時の手取りは15万円で、家賃は4万円ほど。
実家とは仲が悪く疎遠となっていたため、一人で毎月やりくりしながら暮らしていました。

職場はいわゆるブラック企業で、サービスも残業当たり前。月の休みは週に1日あるかないか。
日勤のときは朝の5時前に出勤し、夜の9時まで働きました。
24時間営業のお店だったので夜勤もあり、生活リズムが崩れつつも、どうにか耐えていました。

けれどもどんなに働いても、手取りは15万円のまま。
友人の結婚式が月に2回重なってしまったときには、やむをえずカードキャッシングを利用しました。

流されるように毎月ギリギリの中で生活し、もちろん貯金もできません。

まだ実家で生活している同級生も多かったです。
親御さんに車を買ってもらった、免許を取らせてもらった。そんな話を聞くと、「なんで私だけこんなに苦労しているんだろう」と悔しくて泣いてしまうこともありました。

それでも何とか、自分の生活の中でお金を貯められないかと考えていたところ、給料の振込先の銀行に「積立式の定期預金」を見つけました。

月数千円から積立できて、1年~は引き落としができません。
毎月自動的に積み立てされるので、強制的に貯金ができます。
「これなら私でも貯金ができるのでは?」と考え、まず1カ月1万円ずつの積み立てをしてみました。

1万円が積み立てされるのは、毎月の給料日と同じに日にしました。
毎月の手取りは、14万円に減りました。

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このころの生活はとても苦しかったです。
とにかく無駄な物は買わないようにして、休みの日は家で寝ているだけ。
職場の飲食店で働いていた主婦のパートさんが、私を見かねて、たまに助けてくれたこともありました。ご飯をおごってくれたり、使わなくなった暖房器具をくれたり…いまでも感謝しています。

そうして続けた貯金は、毎月1万円でも1年経てば12万円、2年経てば24万円です。
私は2年間積み立てをしてたまった24万円で、まず車の免許を取りました。
それと同時に転職ができて、派遣社員とはいえ土日休み、朝9時から18時までの事務職になりました。
手取りも22万円ほどに増えたため、積み立て貯金の額を月3万円に増やしました。

積み立ての額を3万円にして1年ほどたったある日、通信制で大学に通えることを知りました。
元々私は大学に行きたかったものの、両親から反対され諦めていたのです。通信制なら働きながらでも通えます。

肝心の学費を見てみたところ、年間で70万円かかるかどうか。
そこで積み立てで貯めた貯金を使って、大学へ行くことにしました。
その後もコツコツ積み立てをしつつ働きながら通信制大学へ通い、無事に4年で卒業できました。

私の場合は、強制的に貯金ができる積み立ての定期預金が性に合っていたのでしょう。
1万円から始めた貯金で、人生を変えることができました。

(エッセイ投稿者:山吹/女性/40代)

エッセイ募集企画は終了しました。次回の開催をお楽しみに!

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