月の手取り20万円、ボーナスはほぼなし、年収300万円。こんな私でもマンションを買えるのでしょうか?というご相談です。
この6年間昇給がなく、今後の昇給の見込みもないとのことで、転職を検討中の斎藤さん(仮名)。
カーサミアの宅建士からアドバイスをお送りします。
※プロフィール・設定は、過去のお客様のデータをもとに創作した架空のものです。
相談: 6年間ほぼ昇給なし。転職も考えています。こんな私でもマンション買えますか?
新卒で入社して8年。昇給したのは最初の数年だけで、この6年ほとんどお給料が増えていません。
勤続20年で40代後半の先輩も同じような感じらしく、このまま会社に残っても希望は持てないという気持ちです。最近は転職も考えていますが、家を買ったらもう転職しちゃダメですよね?
プロフィール:30歳、年収300万円、正社員
お名前 | 斎藤 梨恵(仮名) |
年齢 | 30歳 |
職業 | 事務職(正社員) |
勤続年数 | 8年 |
収入 | 年収300万円 ボーナス0~5万円 (月の額面25万、手取り20万) |
貯金 | 300万円 |
いまの家 | 1DKアパート・家賃7.5万円 |
実家 | 山梨県 |
結婚願望 | あり(できればしたい) |
性格は、自分でも安定志向だと思います。
いまは月2万~3万くらい貯金していています。ボーナスを少しだけもらえるときがあるのですが、これもほとんど貯金しています。本当は投資とか始めたほうがいいのかもしれませんが、損をするかもしれないと思うと信用できなくて。
趣味は読書です。本を買ってしまうと置き場所がなくなるので、なるべく電子書籍か図書館を利用しています。
将来のことを考えると、今の収入では不安です。なので転職を考えています。
本当は30歳までに転職したほうがよかったのでしょうが……。
転職後も、いまのように定時退社の事務をしたいです。残業が続くと、身体もしんどくなってしまうので。仕事をがんばって収入を増やすよりは、自炊して節約するほうが向いています。
そういう意味では、今の会社も嫌いではないですが、でも20年後もこのままだと希望がないと感じています。
結婚は、できればしたいですが、あまりいい出会いもないし、自分が人と暮らしているイメージも想像できないです。このまま一人で生きることも考えて、家を買っておいたほうがいいのかと思い始めています。
宅建士からのアドバイス
こんにちは、カーサミアの編集長・宅建士のヨシムラです。
結論から申し上げますと、もちろん購入可能です!
ご安心くださいね。
ただ、斎藤さんは転職希望とのことですので、転職とローンのタイミングを考えておきたいですね。
転職のタイミングは、家を買ったあとがおすすめ
実は、転職をしてしまうと住宅ローンの条件が厳しくなったり、借りられなくなったり、という可能性があります。
6年間昇給がないということですが、勤続年数8年、さらに減給がないということはプラスです。転職を考えているのであれば、転職前の職務履歴が安定しているうちに購入したほうがいいですね。
女性の転職は、33歳にひとつの壁があると言われています。
いまローンを組んでマンションを買って、31歳~32歳で転職するのもいいかもしれません。
逆に、先に転職してから、家を買って住宅ローンを組もうと思うと、勤続年数が短い状態でローンを組むことになります。この場合、銀行に「また転職して安定した収入が得られない可能性がある」と見られ、ローンの審査に悪い影響が出てくる可能性があります。金融機関も、きちんと返済してくれる人にお金を貸したい、と思っているわけですね。一般的には勤続3年が安定のラインと言われています。
ローンを抱えた状態で転職するのは不安かもしれませんが、実際のところ、ローンを組んだ直後に転職する人は意外と多いです。
銀行は 「転職したら安定した収入が得られない可能性がある」 と見るかもしれませんが、賃貸でも家賃を払って生活していかなくてはいけないので、それなりに安定した収入を稼げるところに転職しますよね。
住宅ローンの返済期間も考えておきましょう
住宅ローンは79歳までに完済する条件で、最長35年組むことができます。とはいえ、65歳で定年になる企業がほとんどのことを考えれば、65歳までには完済したいところ。
斎藤さんは今30歳ですから、すぐに家を買っても、35年ローンを組むと65歳で完済となります。定年を考えると、いまから買ってちょうどいいくらいですね。
もし先に転職して、次の職場で3年勤めてから買おうと思うと、33歳。35年ローンを組むと68歳で完済することになってしまいます。
このような事情がありますので、家を購入するのは、早いに越したことがありません。
結婚しても困らない、貸しやすい物件を
将来、結婚するかもしれないなら、賃貸に出すことも考えておきましょう。
人に貸しやすいエリアや物件ということは、自分にとっても住みやすいエリア・物件になります。たとえば今の職場に近いだけではなく、どこに転職しても通いやすい場所にしておけば、転職後も便利ですよね。
もし結婚して住まなくなったときも、人に貸すことができれば、負債にはなりません。むしろ、資産としてみることができますよ。
月の支払いが7.5万円なら、こんなマンションが買えます
月々の家賃も、一年分だと7.5万円×12=90万円。毎年90万円も払い続けるのはもったいないですよね。
月々 7.5万円の家賃を払っているということは、おおむね2000万円~2500万円の住宅ローンの支払いと同等になります。予算のイメージはこのあたりからスタートするといいのではないでしょうか。
ちなみに、比較的便利な場所で2000万円~2500万円で検討できる物件は少し築年数が経っている20㎡台のワンルームタイプがメイン。8畳~8.5畳くらいの、ゆったりサイズのワンルームのイメージです。
もう少し広い部屋を探したい場合は、多少駅から遠い物件を狙っていきましょう。
まとめ
「昇給なし」でも、減給していないのは大きなプラス。有利なローンを組めるチャンスです。購入するなら、転職する前にローンを組むほうが、お得が多いのでおすすめです。年齢的にも、早い方が完済年齢が早くなるので安心ですね。
家賃7.5万円なら、2000万円~2500万円の住宅ローンの支払いと同じくらいです。この予算があれば、便利な場所で20㎡台、8畳~8.5畳くらいのワンルームが買えますよ。
現在も、しっかり貯金できている堅実派の方なので、将来の安心と資産形成のために、購入していいと思いますよ。
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