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#2 会社員、前夜。~就活をしたことが、ない~

暮らし
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この連載は、かけだしフリーランスの右往左往っぷりをセキララに描く連載エッセイです。
これからのキャリアに悩む女性の参考になりますように。

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蛙田アメコ
蛙田アメコ

エッセイを書いた人:蛙田アメコ
・アラサー
・元教育サービス業正社員
・正社員時代は年間公休97日
・2018年から2年間、副業フリーランス(兼業作家)として活動
・2020年、体調を崩して会社を退職

こんにちは。ライトノベル作家の蛙田アメコです。
アラサーで、バツイチ。
現在、作家・シナリオライターとして生活しています。

幼少期からなんとなく「将来は作家になるんだろうな~」という根拠のない思い込みをしていました。

うっかり会社をやめて、アラサーの1年間をフリーランスとして過ごすことになった体験エッセイ。今回は「これ書いている人って、学生時代どんな人だったの?」ということを少しだけ書こうと思います。

「安定志向」を自認しているくせに、思えば全然ちゃんとしていない学生生活でした。お酒飲んでばっかりだし、寝坊してばかりだし、所属していた落語研究会の活動はそこそこ頑張っていて、将来は落語家になりたいかもなーと思ったりしているちゃらんぽらんな学生です。

ただ、その反面。
バイト先では、10年後にぶっ倒れるのも頷けるクソマジメな学生でした。

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就職活動ができなかった

私が大学生だった約10年前は、大学三年生の中頃になるとみんなが一斉に就職活動(いわゆる、就活)をしはじめる時代でした。その後、就活事情は二転三転しつつも、だいたい同じような状況なのではないでしょうか。

居住している地方以外に本社がある場合の交通費のことや、SPI(適性検査)のことや、面接対策、ES(エントリーシート)……それまでは好きなバンドや文学、お芝居のことを話していた人たちの話題がすべて就活一辺倒になるのはなんとなく悲しかったです。

そして、その頃の私はというと……就職活動を、できませんでした!

いや、特に重病にかかっていたとか、留学をしていたとか、そういうことは全くなく。

「なんとなく調子悪いなー就活とかみんなしてるけど、嫌だなー」

「リク●ビ? マイ●ビ? なんかみんなが登録しろって言ってたからしたけど、メールチェックめんどいなー」

「合同説明会、なんか人多いしやめとこ」

「なんか面接申し込んでみたけど、面接の場所……間違えちゃった……」

「もういいや、就活するのやめよ」

「バイト先で正社員になります!(その後9年きちんと勤める)」

今考えると、舐めている。完全に人生を舐めている。

何が「安定志向」だ。それを謳うには、あまりにも勤勉さが足りない。とにかく、毎日なんとなく調子が悪くて就職活動をするなんて考えられなかったのです(いま思うと、完全に適応障害と診断された際と同じような症状が出ていたのだけれど)。

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バイトには真面目だった

昔から、頼まれごとを断れない性格でした。

大学1年生のときに始めた、塾講師のバイトは売っているものが物理的な商品ではなく、「自分の時間と、サービス」だったこともあり、休みを取ったり辞めたりすることができませんでした。

どうしても人が足りない、と頼まれれば大学の講義や自分の予定をキャンセルして、バイトに出勤していました。

自分のための就職活動はまったく頑張れないくせに、妙なところだけは生真面目でした。

約10年後に「もうだめだ」というところまで働いて、結果としてぶっ倒れてしまうことに繋がる伏線……!

同じように、真面目で、他人を優先して、そして倒れてしまう人は身の回りにも多いです。特に30代前後の女性で今までずっと同じ職場で働いていた方などに。

「あ、これ私だわ」と思った方、どうぞ健康に気をつけて……!

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転職の壁

就職活動をしたことがない、というのは後に重大な事故を引き起こします。

そう。転職活動のやり方がわからないのです。
全然、何も、わからないのです!

さらに。
「自分が辞めたら、会社に迷惑がかかるのではないか」という、間違った責任感……あえて言います、間違った責任感を持っていたのです、私は。

とにかく、進むことも戻ることもできずに「副業」であるライター・小説家としての仕事を増やし、働き、倒れました。

そして仕事を辞めて思うことは、私が思っているよりも、案外どんなタイミングで辞めても会社は回っていくのだということ。こんな話、周囲の話やインターネットで何百回も聞いているのに、自分で体験するまで全然、腑に落ちていなかったし納得もできていなかったんだよなぁ……と過去を振り返って反省しています。

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幸せになる自分を思い描いていなかった

どうして私は、自分の就職や資格取得よりも目の前の「他人の事情」を優先してしまったのでしょうか。バイト先のシフトも、職場を辞めちゃいけないという思い込みも、すべて究極的には他人の事情です。

今になって思うのですが、私は「幸せになる自分」を思い描けていなかったのではないかと思うのです。

大学時代から、仕事を辞めることになる直前まで、ずっとそうだったように思います。

結婚や出産は「タスク」であって自分が幸せになれるとは思えませんでしたし、落語家になろうかなーという夢をあっさり諦めてした就職も「親が就職しておけと言っている」というだけの理由でした。

「自分が幸せになるために何かをする」、とか、「自分がよりよくなるため何かを頑張る」という考えはこれっぽっちもありませんでした。そして、それを当時の私は「不真面目」だとか「怠けている」と思い込んでいたのです。

会社をうっかり辞めてしまってからわかりました。

自分のキャリアについて一生懸命になれない、どこか他人事……それは、あなたが不真面目であったり、怠け者であったりするというわけではないです。

「あなたの人生を、あなたが幸せに過ごす姿」を、一度立ち止まって思い描いてみませんか。

次回はこちら

> 「アラサー女子、うっかり会社辞めました。~フリーランス体験日記」の記事一覧

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