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保冷剤を災害用トイレに再利用する方法。注意点は?【防災士解説】

防災
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冷却グッズとして活躍する「保冷剤」。ケーキやアイスなどの食品を買ったときに付いてきて、ついつい冷蔵庫の中にたくさん溜まっているという方も多いのではないでしょうか。

こんにちは、カーサミアライターのえなです。防災士という防災系の資格保有者である私が、防災に関する疑問を解決していきます。

今回は、「災害時に保冷剤が役立つ」という内容を紹介します。実は、保冷剤は災害時に有効活用できるため、溜まってきたからと捨ててしまうのはもったいないのです。では、災害時にどのように保冷剤が活躍するのか詳しく解説していきます。

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質問:簡易トイレに保冷剤が再利用できる?

災害時など非常時用の簡易トイレに、保冷剤が再利用できると聞きました。使い方と注意点を教えてください。

かさみやちゃん
かさみやちゃん

保冷剤で簡易トイレ、どういうふうに再利用できるのか伺ってみましょう!

えな
えな
教えてくれたのは…

関西でフリーランスWebライターとして活動しているえなです。大学時代は防災について学んでおり、防災士の資格を持っています。

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回答:保冷剤は、簡易トイレの凝固剤の代わりになる

保冷剤の中身は簡易トイレの凝固剤の代わりになる|イメージ画像:イラストAC

ご質問のとおり、自宅にある保冷剤を活用することで、費用をかけずに簡易トイレが手作りできます。

災害時に、電気や下水道のライフラインがストップしてしまった場合、トイレが使えなくなりますよね。そんなトイレが使えない際に活躍するのが「防災用の簡易トイレ」です。

災害時に備えて最低でも3日分〜1週間程度の簡易トイレを備えておくのが望ましいですが、ライフラインが長期間復旧しない場合、用意していた簡易トイレがなくなる可能性もありますよね。また、まとまった簡易トイレを用意するとなると、ある程度の費用もかかるでしょう。ですから保冷剤を再利用した簡易トイレの自作方法を覚えておくと、役に立ちますよ。

自作方法の前に、まず、簡易トイレの仕組みを説明します。

一般的な市販の簡易トイレは、組み立て式のダンボールやトイレに便袋をつけ、排泄後に吸水シート・凝固剤を利用して水分を吸収します。使用後は、凝固剤で水分が吸収された便袋を処理します。

保冷剤は「水」と「高吸水性ポリマー」という成分でできています。高吸水性ポリマーは、自重の数百~数千倍の重量の水を吸収する効果があります。そのため、保冷剤から高吸水性ポリマーのみを抽出することで、簡易トイレには欠かせない、排泄物を吸収してくれる「凝固剤」の代わりとして活用できるのです。

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保冷剤を再利用して簡易トイレを作成する方法と使い方

では、具体的にどのように保冷剤を再利用して簡易トイレを作成できるのか、またどのように使用するのかを紹介していきましょう。

用意するもの

・小さめの保冷剤 3~4個
・塩
・キッチンペーパー

作り方

  1. 保冷剤の中身を容器に移します。
  2. 取り出した保冷剤に塩をかけて5分放置。塩をかけることで、水分が溶け出し液体状になります。
  3. キッチンペーパーを使い、液体を濾過させて水分と高吸水性ポリマーを分離させます。
  4. 分離させた高吸水性ポリマーを約1日乾燥させます。

乾燥させすぎると使用時に水分を吸収するのに時間がかかってしまうため、1日乾燥させたあとの「少し柔らかいぐらいの状態」がベストです。

使い方

  1. トイレの便座を上げて便器にゴミ袋をかぶせます。
  2. 保冷剤から抽出した高吸水性ポリマーをゴミ袋の中に入れて、排泄します。
  3. 高吸水性ポリマーが水分を吸収したら、ゴミ袋を外し処分します。

ゴミ袋は、黒色タイプを選択することで中身が見えないようにできます。

小さめの保冷剤3〜4個で1回分のトイレとして使用可能です。また、「消臭入り」などと記載のある保冷剤なら、消臭効果も期待できます。なお、すべての保冷剤に消臭効果があるわけではないためご注意ください。

また、保冷剤から取り出した高吸水性ポリマーは冷蔵庫で保管すれば半年ほどもつため、災害時に備えて作り置きも可能です。

常温で液体になる保冷剤は、水分のみでできているため簡易トイレには利用できませんのでご注意ください。

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保冷剤を簡易トイレとして再利用する際の注意点

保冷剤をシンクやトイレに流す・有害な保冷剤を使用する・保冷剤の再々利用はNG|イメージ画像:イラストAC

保冷剤を取り扱う際の注意点も紹介していくので、簡易トイレとして再利用する際には気をつけてください。

保冷剤をシンクやトイレに流してはいけない

トイレやシンクに保冷剤をそのまま流してしまうと、高吸水性ポリマーが水分を吸収し、配管を詰まらせてしまうなどのトラブルにつながる恐れがあります。

そのため、保冷剤や抽出した高吸水性ポリマーを処分する際には、基本的には燃えるゴミとして処分しましょう。なお、自治体によってはゴミの分別の仕方が異なりますので、必ずお住まいの市町村に確認してくださいね。

かさみやちゃん
かさみやちゃん

「自治体名 保冷剤 捨て方」等で検索してくださいね!

古い保冷剤には有害な成分が使われていることがある

現在流通している保冷剤は、水と高吸水性ポリマーでできているものがほとんどです。しかし、過去には有害な成分である「エチレングリコール」という成分が含まれていたことがあります。

誤飲事故などの問題から現在は使用されていることはほとんどなくなりましたが、古い保冷剤を利用する際には成分表示をしっかり確認してから利用しましょう。もし有害と記載がある場合には、中身を取り出して簡易トイレに利用するのは控えてください。

消臭剤や芳香剤として活用した保冷剤は、非常用トイレに適していない

たとえば、保冷剤は簡易トイレ以外にも消臭剤や芳香剤としても再利用が可能です。

消臭剤や芳香剤として活用していた保冷剤を、最終的に簡易トイレに再々利用できないかと考える人もいるのではないでしょうか。

しかし、消臭剤や芳香剤として利用した後の保冷剤は、非常に乾燥した状態になるため、十分な水分を吸収しない、または吸収しても時間がかかってしまう可能性があります。その場合、簡易トイレとして使用しても水分をしっかり吸収してくれず、処理に手間取ってしまうでしょう。

消臭剤や芳香剤に用いた保冷剤は、できるだけ簡易トイレとして再々利用はしないほうがよいでしょう。

大量に作るなら、高吸水性ポリマー単体でストックするのもおすすめ

ここまで、保冷剤から高吸水性ポリマーを抽出して再利用し、簡易トイレを作成する方法を紹介してきました。

しかし簡易トイレを大量に手作りしたい場合には、高吸水性ポリマーや凝固剤が単体で販売されているものを災害時に向けてストックしておく方法もありますよ。

■高吸水性ポリマーの例

■凝固剤の例

冷蔵庫の中で眠っている保冷剤は、溜まったら捨てるのではなく、再利用するのがおすすめです。今回紹介したように簡易トイレとして再利用するのもいいですし、消臭剤・芳香剤など多彩な用途がありますので、まずは一度試してみてくださいね。

災害時のトイレに関する記事はこちら

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