フリーランスという働き方、ちょっと気になっています。
先輩フリーランスさん~!
いろいろ教えてくださ~い!!
フリーランスになりたい方から「いくら稼げば、会社員と同等の生活をしていけるの?」という質問をよくされます。
こんにちは。カーサミアライターの芦原です。
リクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査(JPSED)」によると、2019年度のフリーランス人口は468万人。12人に1人がフリーランスです。この記事を読んでいる方も、フリーランスになろうかなと悩んでいる方もいるのではないでしょうか?
「フリーランスは、どれぐらい稼げば良いのかな…?」
「会社員とフリーランスの待遇はどのように違いがあるのかな…?」
「どれぐらいの貯金があれば、フリーランスになれるのかな…?」
このようなことが気になっている読者のために、現役フリーランスでFPの資格も持っている私が、フリーランスのお金に関する疑問を紐解いていきます。
フリーランスになると抱えるお金の問題
自由な働き方ができるフリーランスに憧れる人は多いですが、フリーランスになると、お金に関する悩みが出てくるので気をつけなければいけません。ここでは、フリーランスになる前に把握しておきたいお金の問題についてご紹介します。
安定した収入を得にくい
まず、フリーランスの収入は安定しにくいです。特に、在宅型フリーランスの収入は基本的に安定しません。
一方で、企業に出向いて作業を行う常駐型フリーランスは、一定期間の仕事を請け負うため収入が安定しやすいです。とはいえ常駐型フリーランスは「時間や勤務地にとらわれず、自由に働ける」というフリーランスのイメージとは異なる働き方です。
また、副業解禁などの影響を受けて、副業フリーランスとして働く人も増えてきており案件獲得が難しくなってきています。そのため、フリーランスで安定収入を得るのは、とても大変です。
国民健康保険料や税金が高い
国民皆保険制度で、フリーランスも健康保険に加入する義務があります。基本的には、地方自治体の国民健康保険に加入することになりますが、保障が手薄で保険料が高く設定されています。
会社員の場合は、会社が健康保険料を折半してくれますが、フリーランスの場合は全額負担しなければいけません。そのため、健康保険料が驚くほど高く感じてしまいます。
厚生年金・雇用保険・労災保険に加入できない
フリーランスは厚生年金に加入できません。そのため、国民年金基金を検討する方も多いです。しかし、国民年金基金も健康保険料と同様に全額負担をしなければいけません。
また、フリーランスは雇用保険に加入していないため、失業時の給付がありません。
労災保険にも原則非加入のため、勤務中に怪我などした場合も手当が受け取れません。しかし、労災保険については、フリーランスの労災加入が2021年4月から拡充されることになりました。今後も拡充されていく可能性がありますので、フリーランスになりたい人はニュースに注目しておきましょう。
退職金や福利厚生が受けられない
福利厚生が充実している企業が注目されています。実際に、就職先として福利厚生を気になる方も多いです。家族手当や住宅手当、資格取得手当などの法定外福利厚生は、フリーランスは受け取れません。
現在の勤務先が退職金制度や福利厚生が充実しているのであれば、金銭面で大きく損をしてしまうかもしれません。私が勤務していた企業のように、福利厚生がない場合はダメージは少ないですが、福利厚生が受けられない損失も想定しておきましょう。
出産前後に受け取れる給付が少ない
こちらは将来、結婚や出産をする可能性のある女性のみなさんに知っておいてほしい内容です。
出産から育休の期間、会社員の場合は「出産手当金」「出産育児一時金」「育児休業給付金」の三種類の給付が受け取れます。一方でフリーランスの場合は「出産手当金」しか受け取れません。
「出産手当金」は、出産時に42万円が支給されるものです。これは出産時の入院費用として使うお金になりますので、生活を支えることはできません。
「出産育児一時金」と「育児休業給付金」は、産休中や育休中に基本給の約2/3が支給されるものです。会社員はこの制度があるため育児に専念しやすいですが、フリーランスの場合にはありませんので、仕事と家庭、生活費のバランスをしっかりと考える必要が出てきます。
現役フリーランスの節税術でお金の問題を解決
フリーランスになると、お金の問題が発生すると述べました。しかし、節税など正しい知識を覚えておけば安心です。ここでは、現役フリーランスの私がおすすめする節税術をご紹介します。
経費にできるものは経費で計上する
フリーランスは、仕事で使用する物を経費で計上することができます。例えば、仕事で使用するPCやスキルアップ目的の習い事、取引先の方との打ち合わせ(飲食代)は経費で計上できます。
また、在宅ワークをしている場合は家賃や水道光熱費を按分して経費にできます。例えば、8時間労働の場合は、3割程度が経費になるのです。上手に経費を活用すれば高い節税効果が見込めます。
保険組合に加入する
フリーランスの職種に応じて加入できる組合が異なりますが、自治体の健康保険に加入するのではなく、保険組合の健康保険へ加入を検討してみましょう。
たとえば、Webライター業をしているフリーランスの場合は「文芸美術国民健康保険」に加入できます。この保険料は月額1万9,900円(介護保険4,300円)です。全員一律の保険料のため、年収が上がるほどお得になります。
国民年金基金に加入する
フリーランスは厚生年金の代わりに、国民年金基金に加入できます。国民年金基金は、掛け金額を自由に決められます。そのため、老後に受け取りたい年金受給額を決めて保険料を支払うことができるのです。
厚生年金基金と比較すると負担額は大きくなってしまいますが、老後のお金の計画は立てやすくなります。
小規模企業共済に加入する
老後の暮らしのために貯金を始めたい方は、小規模企業共済に加入を検討してみてはいかがでしょうか?
小規模企業共済は個人事業主の方の退職金制度です。掛け金は、全額所得控除の対象となります。元金が割れてしまいますが中途解約もできます。そのため、小規模企業共済を活用すれば、節税しながら老後資金が貯められます。
青色申告を行う
フリーランスの方は、2月中旬から3月中旬までの確定申告を行って、税務署に所得税を納めなければいけません。
確定申告には白色申告と青色申告の2通りがあります。白色申告は簡単な手続きで済みます。青色申告は複式簿記で取引内容を記帳しなければいけませんが、青色申告特別控除65万円が受けられます。そのため、節税のために青色申告を行いましょう。
フリーランスのお金に関する良くある質問
フリーランスになる前に、お金の問題を気にする方は多いです。ここでは、フリーランスのお金に関する良くある質問をご紹介します。
Q. いくら程度を稼げば独立できますか?
生活水準以上の稼ぎがあれば、独立できます。しかし、堅実的な暮らしをしたい方は、会社員の頃の給料を稼ぐことを目標に頑張ることをおすすめします。
会社員と同等の給料を稼いでも、福利厚生や厚生年金面を考えると受け取れるお金が少ないため、良く考えた上で独立をしましょう。
Q. 貯金額はどれぐらい持っておくべきですか?
フリーランスになる前に貯金はしておきましょう。貯金がない状態でフリーランスに転身するのは危険です。その理由は、体を壊してしまうと収入が途絶えるからです。そのため、1年間は生活できる貯金を用意しておくことをおすすめします。
1年間の生活費を計算して、1.5倍した金額を貯金しておくと、心にもゆとりが持てるのでおすすめです。
Q. フリーランスで失敗したらどうなりますか?
フリーランスになっても、安定的に仕事が受注できるか不安になってしまいますよね。しかし、女性の場合は、結婚や出産でライフプランが変わることもあり、離職期間が長い人でも再就職できています。そのため、フリーランスに失敗しても、会社員に戻れるはずです。
また、フリーランスで活躍できれば、人脈も広げていけます。そのため、前向きな気持ちを持ちましょう♪
今回は、フリーランスになる前に把握しておきたいお金の問題について解説しました。会社員時代と同等の給料を稼いでも、厚生年金や福利厚生を考慮すると、フリーランスの恩恵は少ないです。
しかし、経費などで節税効果をすれば、会社員が負担する税金より少なく済むのです。そのため、フリーランスになる前に、お金に関する知識も身に付けておきましょう。
フリーランスは、節税の知識も必要なんですね…
でも知識があれば、大変なだけじゃないのかも。
税金については書ききれなかったので、別記事で詳しく解説してもらいました!