コンビニATMの手数料がお得など、便利でお得なネット銀行。しかし初めてネット銀行を利用すると、従来の銀行との違いに戸惑うこともあるかもしれません。ネット銀行にはどんなデメリットがあり、どのように活用するのがいいのか、気になりますよね。
こんにちは。カーサミアライターの芦原です。
店舗を持たず、すべてインターネットで取引するネット銀行は、安心して利用できるサービスなのか…と不安に思う方もいるでしょう。
「ネット銀行は、安全に利用できるのかな…?」
「ネット銀行が便利でお得ってホント…?」
「ネット銀行の賢い活用方法は…?」
そのような疑問を持っている女性のために、ネット銀行のデメリットとメリットについて分かりやすく解説します。ネット銀行の上手な活用方法も紹介しますので、ぜひ最後まで読んでくださいね。
そもそもネット銀行とは
ネット銀行とは、「インターネット専業銀行」のことです。2000年台から登場してきた新しい形の銀行です。口座開設・振込手続き・残高確認など、すべてのサービスをインターネット上で行うことが、従来型の銀行との大きな違いです。基本的に対面窓口はなく、紙の通帳もありません。自前のATMもないため、他行のATMやコンビニATMを利用します。
対面による銀行口座の開設などの相談はできませんが、店舗の運営費が削減できる分、ATM手数料や振込手数料が安いです。このようなメリットがあるため、ネット銀行の口座開設を検討する人が増えてきています。
ネットバンキングとの違い
インターネット上で振込手続きや残高確認を行なうことを「ネットバンキング(オンラインバンキング)」と言います。
ネット銀行での取引はすべてネットバンキングですが、最近では、従来型の銀行もネットバンキングに力を入れ始めています。
ネット銀行とネットバンキングは名前が似ているので紛らわしいですが、
・ネット銀行:銀行の種類
・ネットバンキング:サービスの種類
となります。
ネット銀行の一覧
2021年4月現在、ネット銀行(インターネット専業銀行)は以下の7行です。
PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)
ソニー銀行
楽天銀行(旧イーバンク銀行)
住信SBIネット銀行
auじぶん銀行
大和ネクスト銀行
GMOあおぞらネット銀行
このほか、店舗数が少なくネットバンキングに力を入れている地方銀行(東京スター銀行・新生銀行など)や、スーパー・コンビニなどの店舗にATMがあるものの銀行窓口を持たない銀行(セブン銀行・ローソン銀行・イオン銀行など)も、ネット銀行とよく似た使い方になるでしょう。
ネット銀行のデメリット
ネット銀行は基本的にオンライン取引となり、ATMや窓口がないため、心配に感じる方もいるのではないでしょうか? ネット銀行の利用時には、気をつけるべき点がいくつかあります。
ここでは、ネット銀行のデメリットについてご紹介します。
自動引落口座に指定できない場合がある
公共料金や税金の自動引落口座に指定できるのは、一部のネット銀行に限られています。クレジットカードは多くのネット銀行で対応していますが、提携状況によっては引落口座に指定できない場合があります。
個人的には、現在はさまざまな決済手段が登場したり、給与のデジタル払い(デジタルペイロール)を解禁する方針が発表されたりしていることから、これから状況が変わっていく可能性もあると思います。
しかし現時点では、従来型の銀行と使い分ける必要があるため、不便に感じることもあるでしょう。
ID・パスワードを忘れると利用できない
ネット銀行では、ログインのためのID・パスワードを忘れてしまうと、サービスが利用できません。ログイン情報の入力を何度か間違えてしまうと、アカウントの利用は自動停止されます。数日後に再度ログインする・カスタマサポートに連絡してパスワードを再発行してもらう、などで復旧可能ですが、すぐに使いたいときには困ってしまいます。
従来型の銀行であれば、ネットバンキングのID・パスワードを忘れてしまっても、ATMに行けば振込手続きや記帳をすることができます。しかしネット銀行では代わりの手段がありません。
ID・パスワードは忘れないように気を付けましょう。
システムメンテナンス中は利用できない
ネット銀行のサービス(ネットバンキング)は、24時間365日、場所や時間に問わられずに利用できます。とても便利ではありますが、セキュリティを確保するために、しばしばシステムメンテナンスが行われます。
システムメンテンスは深夜に行われることが多いですが、気をつけなければ、メンテナンス期間中で入出金ができないといった事態を招いてしまいかねません。
セキュリティ面に注意が必要
ネットバンキングでは、偽サイトにユーザーを誘導してID・パスワードを読み取る詐欺(フィッシング詐欺)や、ウイルスメールに注意しなければいけません。従来型の銀行であれば「不安だからネットバンキングを利用しない」という選択肢もありますが、ネット銀行の場合、そうはいきません。
もちろんネット銀行は高いセキュリティ技術を持っていますが、セキュリティを突破する手口も次々と登場しています。常にセキュリティ面に注意しながら利用しましょう。
窓口がない
ネット銀行は店舗がないため、窓口で相談することができません。そのため、店舗窓口を活用したい方には、ネット銀行は不向きです。
ネット銀行のメリット
次に、ネット銀行のメリットについてご紹介します。
ATM手数料がお得
ネット銀行は自前のATMを持たない代わりに、月に何度か、コンビニATMや他行のATMを無料で使用できます。
また、取引状況(預金残高や、外貨預金・投資信託等の利用、住宅ローンの利用など)によって無料回数が増える優遇措置があります。
主なネット銀行の無料回数は下記の通りです。
ATM手数料がお得なネット銀行
銀行名 | 預け入れ(入金) 無料回数 | 引き出し(出金) 無料回数 |
---|---|---|
ソニー銀行 | 無料 | 月4回 or 無制限 |
PayPay銀行 | 月1回無料 (2回目以降は、入出金3万円以上であれば無料) | |
住信SBIネット銀行※1 | 無料 | 月2回~20回 |
楽天銀行※2 | 月1回~7回 (入金のみ、3万円以上なら何回でも無料) | |
auじぶん銀行※3 | 無料 | 月3回~11回 |
GMOあおぞらネット銀行 | 無料 | 月2回~15回 |
※1 2021年6月から改定。2021年5月以前は「月2~15回」
※2 口座残高が10万円以上、または取引回数が5回以上のとき
※3 口座残高が10万円以上のとき
(2021年5月現在。カーサミア編集部調べ)
最近はメガバンクのATM手数料値上げの動きもあります。2021年4月5日から三井住友銀行のコンビニATM手数料が値上げされ、所定時間内のATM手数料が110円から220円にアップしたのは記憶に新しいところですね。
このような状況があるため、ATM手数料の無料回数があるネット銀行での口座開設を検討している方も増えているのではないでしょうか。
振込手数料がお得
ネット銀行は他行宛の振り込み手数料もお得です。決められた回数まで振込手数料が無料になります。
こちらもATM利用手数料と同様に、取引状況によって無料回数が増える優遇措置があります。
他行宛の振込手数料がお得なネット銀行
銀行名 | 他行宛の振込手数料 無料回数 |
---|---|
ソニー銀行 | 月1回~11回 |
住信SBIネット銀行※1 | 月1回~20回 |
楽天銀行※2 | 月1回~3回 |
auじぶん銀行 | 月0回~15回 |
大和ネクスト銀行 | 月3回まで無料(一律) |
GMOあおぞらネット銀行 | 月1回~15回 |
※1 2021年6月から改定。2021年5月以前は「月1~15回」
※2 口座残高が10万円以上、または取引回数が5回以上のとき
(2021年5月現在。カーサミア編集部調べ)
預金金利が高い
ネット銀行は、預金金利がメガバンクや地方銀行と比較して高いことも魅力です。一般的な銀行の普通預金の金利は0.001%程度ですが、ネット銀行では0.02%など、20倍も金利が高いこともあります。
時期や銀行によっても異なるので、最新の金利は、各金融機関の公式ホームページをご覧くださいね。
24時間利用できる
ネット銀行は場所や時間に捕らわれずに利用ができます。早朝や深夜、週末にも利用できるため、急に振り込みを行わなければいけなくなった場合に対応できて便利です。
もっとも、オンラインで24時間利用できるネットバンキングは、メガバンクや地方銀行でも提供されつつありますので、ネット銀行だけのメリットではなくなりつつあります。
紙の通帳を持たなくていい
ネット銀行は、利用履歴データを電子保存しています。そのため、記帳や通帳繰り越しのために銀行に行く必要はありません。通帳の管理も不要で、紛失する心配もありません。
また、利用履歴データが電子保存されるため、過去の取引を遡って閲覧したり、Excelにデータを落とし込んだりできます。これらの機能を上手に活用すれば、家計簿管理が楽になります。
とはいえ最近では、従来の銀行でも紙の通帳を減らし電子化する動きがありますので、こちらもネット銀行だけのメリットではなくなっていくでしょう。
ネット銀行のかしこい使い方
ネット銀行の特徴について解説してきましたが、これらを踏まえた上で、ネット銀行を利用しましょう。ここでは、ネット銀行のかしこい使い方をご紹介します。
普通の銀行と併せてネット銀行を利用する
メインバンクとサブバンクのように、銀行口座は複数持つ方が安全です。
メインバンクとは、日々の暮らしに使うお金を出し入れするための銀行口座です。給与が振り込まれたり、公共料金の支払いをしたりするメインバンクは、近くに実店舗のあるメガバンクや地方銀行がおすすめです。メインバンクにネット銀行を使用すると、メンテナンス時間で入出金ができないという不測の事態を招きかねません。
その一方、貯金用や投資用など目的ごとに作るサブバンクにネット銀行の口座を開設しておくと便利です。
銀行口座の使い分け方はこちら
生活予備費をネット銀行に蓄えておく
生活予備費をネット銀行に蓄えておくと便利です。生活予備費とは、緊急時の出費に備える費用のことをいいます。
生活予備費とは
- 通院費や入院費の医療費
- 病気で働けなくなったときの生活資金
- 電化製品が故障した場合の買い替え代金
- 固定資産税や自動車税などの納税
このような突然の出費に備えて、困った時にお金を引き出せるネット銀行に生活予備費を蓄えておきましょう。
優遇が得られるネット銀行を活用する
メリットの項目でも少し触れましたが、ネット銀行は、条件を満たすことでATM利用料や振込手数料の無料回数が増えたり、預金金利があがったりと、さらにお得になる場合があります。
ネット銀行で優遇を得られる条件(一例)
・預金残高を一定額以上にする
・定期預金を利用する
・外貨預金や投資信託などを利用する
・特定のクレジットカードの引き落とし口座に指定する
・証券口座との連動サービスを利用する
・住宅ローンを組む
優遇を得られる条件は、銀行ごとに異なっています。
自分がどういった使い方をしたいのか考えて、多くの優遇が得られそうなネット銀行に口座を作るとよいでしょう。
ちなみにネット銀行の住宅ローンは、審査が厳しめに設定されていますが、比較的低金利で融資が受けられます。住宅ローンを組む予定がある方は、こういったことも踏まえて検討してみてください。
今回は、ネット銀行のデメリット・メリットをご紹介しました。ネット銀行は、店舗やATMを持たない分、ATM手数料や振込手数料が無料になったり好条件の住宅ローンの融資が受けられたりします。
とてもお得なネット銀行ですが、使用上の注意点もあるため、気をつけながら利用しましょう。おすすめは、ネット銀行をサブバンクとして利用すること。生活予備費の銀行口座に利用しておくと預金金利も高く、突然の出費時にもATM手数料がかかりません。
ぜひ、これを機会にネット銀行の口座開設を検討してみてくださいね♪
ネット銀行、振込手数料無料やコンビニATM無料は純粋に嬉しいです。店舗ATMがないのは心配なところもありますが、使い分け用にひとつ口座を持っていてもいいのかなぁ~。