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防災と減災の違いは?個人でできる減災対策の取り組み【防災士解説】

防災
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「防災」と一緒に、「減災」という言葉を一度は耳にしたことがあるでしょう。しかし、どちらも似た言葉のため具体的な意味の違いや、減災対策ではどのようなことを行うのかわからないという方も多いのではないでしょうか。

こんにちは、カーサミアライターのえなです。防災士という防災系の資格保有者である私が、防災に関する疑問を解決していきます。

そこで今回は、「減災と防災の違いや減災対策」に関して紹介します。防災と減災の違いを明確にすることで、より適切な災害への対策が行えるようになるでしょう。

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質問:防災と減災の違いは?

最近、防災と一緒に「減災」という言葉もよく耳にするのですが、防災との具体的な違いは何なのでしょうか?また、個人でできる減災対策があれば教えてほしいです。

かさみやちゃん
かさみやちゃん

防災はわかっても、減災となると明確に意味や対策はわからないですよね…。防災と減災の違いや、私たちができる減災対策も伺ってみましょう!

えな
えな
答えてくれたのは…

関西でフリーランスWebライターとして活動しているえなです。大学時代は防災について学んでおり、防災士の資格を持っています。

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回答:減災とは、災害の被害をできるだけ小さくする取り組みのこと

減災とは、災害の被害をできるだけ小さくする取り組みのこと|イメージ画像:イラストAC

減災とは、災害の被害をできるだけ小さくする取り組みのことを指します。「災害は発生するもの」「災害による被害は生じるもの」という考えを前提としていることが特徴です。

減災という考え方は1995年の阪神淡路大震災の経験をもとに生まれました。大規模な災害が発生した場合、防災対策では被害を完全に防ぐことができないということが過去の災害により明白となり、現在では現実的な対策として「減災」が重要視されるようになってきています。

防災と減災の違いについて

防災とは、災害の被害を未然に防ぐ、あるいは被害をゼロにするという取り組みのことを指します。

「災害は発生するもの」「災害による被害は生じるもの」ということを前提としているかという点において、防災と減災とでは違いがあります。

しかし、減災という言葉はまだ十分に普及していないこともあり、「減災=防災」と考えられることも多く、防災と言葉が付くものでも減災の考え方に基づいているものもあります。

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個人でできる減災対策の取り組みを8つ紹介

自助・共助について意識を持つ、防災マップを確認する、自宅の耐震を確認する、災害の恐ろしさを理解する、転倒落下防止対策をする、備蓄する、防災会議を開く、地域の人と関わるなどの減災対策を行おう|イメージ画像:イラストAC

個人でできる減災対策の取り組みを8つ紹介していきます。

減災対策1 「自助」「共助」について意識を持つ

減災において重要なのが「自助」と「共助」です。

  • 「自助」とは自分の身は自分で守ること
  • 「共助」とは地域住民や身近な人と助け合うこと

行政や消防などの国が行う「公助」も大切ですが、災害時は被害の影響により行政の機能が麻痺する可能性があります。

そのため、公助だけに頼るのではなく自助や共助の取り組みが重要です。実際に阪神淡路大震災の際には、自助や共助により助かった人の割合が多かったとされています。

災害が起こってからでは手遅れであるため、「災害時に自分にできること」「地域住民や身近な人にできること」を日頃から意識し災害に備えることで、被害を抑えられることにつながるでしょう。

減災対策2 自宅や勤務先周辺の安全や避難場所の確認

防災マップ(ハザードマップ)で、自宅や勤務先周辺の災害のリスクや、避難場所・避難経路の確認を行いましょう。

防災マップは市町村役場の窓口で入手するか、自治体のホームページなどのネット上で確認が可能です。

防災マップで危険な場所や避難場所がわかったら、実際に自分の足で歩いて確認してみることも大切です。実際に歩くことで、防災マップでは確認できない地域の危険な場所も予め発見でき、災害への意識も高まるでしょう。

減災対策3 自宅の耐震を確認する

現在住んでいるマンション・アパートが、「新耐震基準」に適合しているか確認しましょう。

新耐震基準とは、震度6強〜7程度の揺れでも倒壊しない構造基準のことで、1981(昭和56)年6月1日以降から適用されています。
適用以前に建築された物件でも、耐震補強工事等が行われている場合もあります

適応前の旧耐震基準であった場合、大きな地震に自宅が耐えられない危険があります。そのため、新耐震基準に適合していない場合は、引っ越しも検討し、少しでも被害に合うリスクを下げましょう。

減災対策4 災害の恐ろしさを理解し、情報を日頃からチェック

災害が起きても、「自分は大丈夫だろう」「ここまで被害は届かないだろう」などといった油断が命を落とすことにつながります。

過去の災害を調べたり、災害に関連する本を読んだり、防災訓練などのイベントに参加したりして、災害の恐ろしさや災害が起こるとどうなるのかをしっかり理解することが大切です。

また、日頃から気象情報をチェックしたり、土砂災害や水害など予めある程度被害が起こることが想定できる災害に関しては「災害が起こる前兆」も理解しておくことで、いざというときに素早く避難行動に移せるでしょう。

減災対策5 家具類の転倒・落下防止対策を行う

地震が発生した場合、自宅の家具類が転倒したり落下したりする可能性があります。それにより、逃げ遅れたり怪我を負ったり、最悪の場合命を落とすことにもつながる危険があります。

そのため、事前に自宅の家具類の転倒・落下防止対策を行い、自分の命を自分で守ることを心がけましょう。

★家具の転倒・落下防止対策の一部事例(賃貸でも可能)


・タンスなどの天井と距離が近い家具
ポール式器具で天井と家具を固定する。粘着マットやストッパーと組み合わせると強度が増す。

・電化製品
テレビ、冷蔵庫、洗濯機など穴を開けられない電化製品は、粘着テープの付いたベルト式器具で固定する。

・扉や引き出しがついている家具
扉は開閉しないように留め具を付け、ガラス製の扉の場合はガラス飛散防止フィルムを貼る。

また、転倒落下物やガラス飛散の危険がない「安全ゾーン」を室内に予め確保しておくことで、地震の際に安全に退避ができます。

過去の記事では、家具の転倒・落下防止対策に関して詳しく紹介しているので合わせてご覧ください!

家具や本棚の地震対策。賃貸でもOKな転倒防止法は?【防災士解説】
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減災対策6 備蓄品や、非常用持ち出し袋などの備えを行う

災害はいつ起こるかわかりません。そのため、日頃から必要なものを身近に備えておく必要があります。

災害時はすぐに支援物資が手元に届くとは限らないため、ライフラインや物流が停止しても生活できるように自宅に防災備蓄を用意してください。

また、避難時に自分の命を守れるように非常用持ち出し袋(防災リュック)や、外出先での災害に備えて防災ポーチも用意したりしましょう。

過去の記事では、それぞれどのようなアイテムを揃えればいいのか詳しく紹介しているので合わせてご覧ください!

減災対策7 家族で防災会議を開く

一人暮らしの女性の場合、離れて暮らす家族と災害時にどのように連絡をとるのか、どこに避難するのかなど、家族間で事前に話し合っておきましょう。

災害時は音声通話が殺到することから、電話が通じにくくなるため、消防や警察などへの緊急を要する連絡に支障をきたす恐れがあります。

そのため、家族との災害時の連絡手段には、パケット通信を利用したメール・SNS・通話アプリを利用しましょう。

また、インターネットが利用できない場合には、災害用伝言ダイヤル「171」や災害用伝言板「web171」、各携帯会社用の災害用音声お届けサービスや公衆電話の利用も可能です。

減災対策8 地域の人とつながりを持つ

挨拶を交わしたり、地域のイベントなどに参加したりして、普段から地域住民とのつながりを持っておくことも大切です。

そうすることで、いざという災害時に地域住民同士で助け合える関係性が築けて、減災に欠かせない「共助」にもつながります。

Q
防災と減災の違いは?
A

防災は災害の被害を未然に防ぐことを目的とした取り組みである一方、減災は「災害が起きることを前提にして、被害をできるだけ小さくする」取り組みです。

過去の教訓から、現実的な減災の考え方が重要視されてはいますが、防災・減災どちらも大切な取り組みです。防災・減災のどちらの考え方にも基づき、日頃から災害に備えて準備を行いましょう。

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