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今さら聞けない!家を借りる時・買う時に重要な「物件概要」の見方(後編)

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物件概要の見方に関する記事の前編では、構造や築年数など建物全体に関わる項目を中心にご紹介しました。

後編では部屋の内部や契約時に関することなど、一人暮らし女性が知っていた方が良い情報を中心に解説していきます!

全て暗記する必要はありませんが、全体のイメージでもいいので覚えておくと便利です。物件選びに役立ててくださいね。

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物件概要はここをチェック

間取り

例:1DK

・部屋の構成が分かる


◆間取りで使われるアルファベットの意味

略語読みと意味
L・読み:リビング
・ローテーブルやソファなどがある、居間のような空間
D ・読み:ダイニング
・ダイニングセットなどを置く、食堂のような空間
K・読み:キッチン
・調理スペース、シンク等がある空間
R ・読み:ルーム
・1つの個室
※「1R」以外では、基本的に表記が省略される
S・読み:サービスルーム
・一定の採光/換気などの基準を満たしていないため、
 建築基準法では居間として認められない部屋のこと
※「サービスルーム」「納戸付き」と表記される


◆ 一人暮らし女性向けの間取りの種類(抜粋)

略語間取りの説明
1R ●1部屋のみ
・キッチンと部屋の仕切りがない
・1つの空間に全て納まっているワンルーム
作る、食べる、寛ぐ、寝るなどが同じ空間になる
1K●1部屋+キッチン
・キッチンと部屋の仕切りがある
・一般的に4.5畳未満のキッチンスペースがある
食べる、寛ぐ、寝るなどが同じ空間になる
1DK●1部屋+ダイニング・キッチン
・キッチンと部屋の仕切りがある
・一般的に4.5畳〜8畳未満の
 ダイニング&キッチンスペースがある
寝室を分けられる
1LDK●1部屋+リビング・ダイニング・キッチン
・キッチンと部屋の仕切りがある
・一般的に8畳以上の
 リビング・ダイニング・キッチンスペースがある
寝室を分けられる
1LDK+S●1部屋+リビング・ダイニング・キッチン+納戸
・キッチンと部屋の仕切りがある
・一般的に8畳以上の
 リビング・ダイニング・キッチンスペースがある
寝室を分けられる
・採光/換気が満たされていない空間が付属している
(実際は+1部屋として使えます)

上記の表は、下に向かって部屋の面積が広くなるので、自ずと家賃も高くなっていきます。ワンルームだけがキッチンを居室内に内包した間取りです。

調理中の換気面などから、一人暮らし女性の場合は1Kや1DKを選ぶことが多いですね。ただしキッチンが廊下に面している1Kの場合、冬はキッチンが寒いなど別の懸念点もあります。間取り図を見て、使い勝手をイメージしながら判断するといいでしょう。

間取りの注意点

・購入する場合は、1Kやワンルームは避ける
1Kやワンルームは、面積も小さくなるので物件価格や初期費用を抑えることができますが、ライフステージの変化 (例えば結婚など)を見据えると「一生住む」という目線は難しくなります。

またワンルームの場合、 住宅ローンの利用基準となる専有面積に満たない可能性もあるほか、専有面積を満たしていても間取りがワンルームだと「永住しない→将来貸すだろう→投資目的」の購入と判断され、ローン承認が下りない可能性もあるので、注意が必要です。(住宅ローンはあくまで自己居住を目的としたローンのため)

「1(R)LDK」というふうに、数字の後に「Room」が省略されています。|イメージ画像:Unsplash

専有面積

例:34.33㎡

・その部屋(住戸)の専有面積が分かる

専有面積の注意点

・30㎡以上あると、より快適な居住空間になる
一般的に、専有面積が25㎡前後だと1Kや1DK、専有面積が30㎡以上になると寝室が独立する1DKや1LDKの間取りになることが多いです。
居間と寝室を分けたい人は、専有面積が30㎡以上あるとより快適な空間になりますよ。

・購入するなら、専用使用部分が多い方がお得
専有面積で記載されている面積だけでなく、その住戸の所有者のみが使用できる「専用部分」などがあります。

◆「専有部・専用使用部分(専用部)・共有部・共用部」の違い

種類説明
専有部・壁(部屋)の内側の居住スペース=「専有面積」
・区分所有権の目的となる建物の部分で、
 区分された壁や床、天井などの内側部分を指す
・ロフトや床下収納は面積には含まれない
・区分所有者が管理する
専用使用部分特定の区分所有者だけが使える、他人が使えない部分
・【例】ベランダ、バルコニー、専用庭、ポーチ、
 アルコーブ 、トランクルーム、玄関ドア、窓、網戸など
・区分は共用部
共用部・入居者全員が使う、専有に含まれない部分
・【例】エントランス、エントランスホール、 廊下、
 階段、屋上、エレベーター、パイプシャフト、
 縦配管、 基本的構造部分など
・所有者全員で管理する
共有部・区分所有者が共同で所有する部分


・購入するときに注意しておきたいこと

①30㎡以上か否かで、住宅ローンのフラット35の利用可否が決まる
一人暮らし女性の多くが住宅ローンで利用するフラット35ですが、利用条件の1つに「共同建て(マンションなど)の場合は、床面積が30㎡以上であること」という指定があります。フラット35を利用する場合は、希望物件の床面積が条件を満たしているか確認しましょう。

※各種要件などの詳細はフラット35 公式ホームページからご確認ください

②内法50㎡以上で、住宅ローン控除が適用されるか否かが決まる
指定された期限内にローンを組んで住宅を購入した時に、一定金額が所得税から控除される住宅ローン控除(正式名称:住宅借入金等特別控除)。この制度は「登記簿面積が50㎡以上」等の条件をクリアした物件を購入した人のみが利用できます。

この面積の条件ですが、「専有面積」ではないところが要注意。物件情報で記載されている専有面積は「壁芯」で計算されたもので、条件である「登記簿面積」は「内法」計算です。

そのため、募集広告に51㎡と表示されていても、「それは壁心表示で、内法だと48㎡になる」という場合は住宅ローン控除適用の対象外になります。どちらか分からなくて際どいな、と思ったら、不動産会社に確認しましょう。

※詳細は国税庁:住宅借入金等特別控除に関する情報をまとめたページからご確認ください

③覚えておきたい壁心と内法の違い
上記で出てきた通り、面積の計算と表記は2種類あります。

壁心
・読み:かべしん・へきしん
壁の厚みや柱の出っ張りも加えて、床面積を計算する方法
・新築マンションや中古マンションの専有面積で記載される面積
・芯々と表記されることもある
内法・読み:うちのり
・壁の厚みや柱の出っ張りを含めず、
 壁の内側の部分の面積だけを床面積とする計算方法
・パイプスペース(PS)、メーターボックス(MB)なども含まない
・登記簿に登記される面積(登記簿面積)
入居者のみ使用するところが「専有部分」になります。|イメージ画像:Unsplash

バルコニーの向き・方位

例:東向き

・どの方向に窓があるか、日差しが入るか分かる

バルコニーの向き・方位の注意点

方位ごとに特徴があるので、自分のライフスタイルと照らし合わせるのが重要です。一般的に、南向きの部屋の家賃が高くなりがちなので、方位を変更して家賃を下げることも可能ですよ。

◆「東・西・南・北」それぞれの方位の一般的な特徴

方位メリットデメリット
東向き・朝陽が入るので朝〜午前が明るい
・夏場の厳しい西日がない
・午後は部屋が暗い
西向き・午後〜夕方の日差しが明るい
・冬場の夕方でも暖かい
・夏場の西日が厳しい
・家具がやけやすい
南向き・1日を通して日当たりが良い
・日中は電気をつけなくてもいい
・家賃が他の方位に比べて
 高いことがある
北向き・夏場でも涼しい
・安定した明るさを確保できる
・家賃が他の方位に比べて
 安いことが多い
・直射日光は入らない
・冬場は寒くなりやすい

女性の一人暮らしでは、朝陽が入る東向きが人気です。日中仕事で家を空けている女性は家賃を下げるために、あえて北向きの物件を選ぶという選択肢もありますよ。

物件概要や間取りに記載がないこともあるので、できれば事前に確認しましょう。

それぞれメリット・デメリットがあるので、自分に合った方位を選びましょう|イメージ画像:Unsplash

リフォーム・リノベーションの有無

例:内装リノベーション済

・内装のリフォームまたはリノベーションが実施されているかが分かる

リフォーム・リノベーションの注意点

・リフォームとリノベーションの違い
実は、それぞれの言葉に明確な定義はないので、会社や媒体によってニュアンスが違うことがありますが、「一般社団法人 リノベーション協議会」では以下のように定義・分類しています。

リフォーム:原状回復のための修繕営繕不具合箇所への部分的な対処
リノベーション:機能、価値の再生のための改修

https://www.renovation.or.jp/renovation/about/

◆リフォームとリノベーションの違いの例
【キッチンの場合】

リフォーム ・老朽化したシンクを新しいものに替えたりする
マイナスをゼロにするイメージ
リノベーション ・ シンクを大きくしたり棚の追加など、
 より機能性を向上させたりする
ゼロをプラスにするイメージ

・リノベーションにもレベルがある
一口にリノベーションと言っても意味は広く、「フルリノベーション」はスケルトン(骨組みだけの状態)からスタートして、間取りから設備まで変えてしまう大幅な工事を意味します。その他、元の間取りは維持しながら、和室を洋室風に内装だけリノベーションするなどの「一部リノベーション」のパターンもあります。

賃貸では借りるときの状態を把握するだけでも大きな問題はありませんが、購入する場合で「リノベーション済」と記載があった際は、必ず事前にリノベーションされた内容を確認しましょう。

・リフォームやリノベーションできる範囲は限られている
マンションを購入した場合でも、前述の【専有面積】でご紹介した通り、バルコニーや窓、玄関ドアなどは自由に変更することはできません
内装はリノベーションされていてキレイなのに、窓や玄関ドアは古いままという物件があるのはこのことからです。(玄関ドアの内側だけ塗装して対応していることが多いですね)

購入しても、リノベーションできない部分があることを理解しておきましょう|イメージ画像:Unsplash

現況

例:空室

・その物件が空室なのか、まだ居住中なのかなどの状況が分かる
「空室」「空」「居住中」「入居中」「〇月退去予定」など、現在の状況を表しています。

現況の注意点

・すぐに内見できない場合がある
希望の物件が見つかった際、すぐに内見できるのは「空室」や「空」の場合です。購入する場合であれば「居住中」の物件でも内見できるケースもありますが、賃貸では概ね内見できません。
居住中でありながらも募集が出ているのは、退去予定日が決まっていて空室の期間をなるべく短くするため。その場合、すぐに内見はできず退去するまで待って内見を行うことになります。

「現況」=その部屋が「現」在、どんな状「況」にあるかを示す項目です|イメージ画像:Unsplash

入居・引渡し

例:相談

・その物件の鍵がいつもらえるのかが分かる
入居可能日が書いてある項目で、「相談」「即日」「即」「〇月上旬」「〇月〇日」などと記載があります。現況とセットで記載されていることが多いです。

入居・引渡しの注意点

・自分の都合で遅くすることはできないことが多い
「いい物件を見つけたけど、まだすぐは引っ越しできない」「3ヶ月後から住みたい」など、物件が見つかったタイミングが必ずしも引っ越ししたいタイミングとは限りませんよね。ですが、あいにく自分が3ヶ月後から住みたいからと言って、 「空室」物件の引渡しを3ヶ月後にしてくれることはほとんどありません。賃貸でも購入でもここは同じです。良い物件に出会ってしまったら、引っ越すタイミングと認識したほうがいいでしょう。

・「相談」は【即日】に近いケースと【相談事項】があるケースがある
「相談」とある場合、「いつでも大丈夫ではあるが、入居希望者と相談して日時を決めましょう」というほぼ「即日」に近いパターンと、「原状回復がまだで、これから工事日程など具体的に決める」というパターンがあります。詳細は不動産会社に確認してみましょう。

入居日が数ヶ月先ということもたまにあるので、必ずチェックしましょう。|イメージ画像:Unsplash

ペット飼育

例:飼育可能

・ペット飼育可能な物件かどうかが分かる

ペット飼育の注意点

・可能とあっても概ね制限がある
ペットOKと記載があっても「犬猫1匹まで」「大型動物不可」「犬以外」など、何かしらの制限がある場合がほとんどです。
購入する場合、マンション毎に暮らしのルールを定めた「管理規約」にペット飼育も定められています。飼えるペットの種類やマンション内でのルールまで、細かく定められているケースがほとんどなので、事前に確認しましょう。
賃貸の場合は、ペットNGでもオーナーの許可をもらえれば飼うことができることもあります。
とは言え何でも歓迎!という物件はないので、詳細確認は必須ですよ。

・飼いやすいペットの例
小型犬・猫・ハムスター・うさぎ・ハリネズミ・モルモット・金魚・インコなどは、一人暮らしでも比較的飼育しやすい動物と言われています。

・飼うときに注意すること
近隣トラブルになりやすいのは、におい・騒音が中心。そしてオーナーが危惧するのは、近隣トラブルに加えて部屋の破損などです。例えば「熱帯魚は大丈夫でしょ」と勝手な判断で飼い始めても「以前水槽が破損して大きなトラブルになって以来、NGにしている」という場合もあるかもしれません。
飼う場合はきちんとマナーを守って、長期間家を空ける時の対処法を考えておくなど、責任を持って飼育しましょう。

飼育可能でもルールが設定されている場合が多いので、事前確認は必須です。|イメージ画像:Unsplash

取引形態・取引態様

例:仲介

・その物件がどうゆう取引方法を取っているかが分かる
物件との関係を表すもので、大きく分けて貸主または売主・代理・仲介(媒介)の3種類があります。

取引形態・取引態様の注意点

◆賃貸契約の場合

種類説明
貸主 ●物件を所有する個人/法人(オーナー)との取引
・仲介手数料がかからない
・貸主側には宅地建物取引業法の適用も、
 重要事項説明の義務もない
・契約内容なども自分で確認する必要がある
代理●代理権をもつ不動産業者が貸主の代理人となる取引
・原則として仲介手数料はかかるが、貸主負担となることも多い
・宅地建物取引業法の適用や重要事項説明の義務がある
仲介(媒介)●賃貸契約が円滑に進むよう、不動産会社が貸主と借主の間に入る取引
・仲介手数料がかかる
・宅地建物取引業法の適用や重要事項説明の義務がある
・最も多い取引形態で、物件サイトなどに問合せた時に
 対応してくれる不動産会社を指す
・物件探しから契約完了まで借主との間に入ってサポートしてくれる

◆購入する場合
基本的に賃貸契約の内容と、大きくは変わりません。 上記の表を参考に 「貸主」を「売主」に置き換えてご確認ください。他の注意点としては、以下の通りです。

新築マンションは企業がマンションを開発して、そのまま売主として直接販売するか、販売だけ「代理」で不動産会社に依頼した販売方法がが多いため、仲介手数料は概ね不要です。(仲介手数料はかかりませんが、販売価格に含まれていると考えてください)

中古マンションは、個人が所有していた物件を個人に売却することが多いので、概ね「仲介(媒介)」となります。この場合は、仲介手数料が発生します。

しかし、賃貸も売買も不動産会社によって違いがあり、仲介手数料無料を売りにしているケースも多くあります。賃貸であれば家賃の1ヶ月分、購入だと物件価格の3%+6万円となります。
初期費用が抑えられる方がいいのですが、自分の生活の基盤となる家選びです。住んでから後悔しないために、無料という謳い文句に惑わされないようにしましょう。

頼れる不動産会社をパートナーとして選定しましょう。|イメージ画像:Unsplash
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一人暮らし女性は、物件概要はここもポイント!

後編では間取りや専有面積、取引形態など、前編よりもより細かい箇所に着目して解説してきました。それぞれの項目が何を示しているかが分かると、より具体的に物件のイメージが掴めるかと思います。

不動産に関する用語は、広義的な意味があったり法律が絡んできたりして、ややこしいと感じるかもしれません。そんな時はスルーせず、気軽に不動産会社の人に聞いてみましょう。
自分のための家選びです。納得して決めてくださいね!


建物全体のことに関する項目の解説をしている前編はこちらから。

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