「非常用持ち出し袋の準備に、避難場所の確認に…」と、災害時の備えを完璧に行っていると思っていても、見逃している部分があるかもしれませんよね。
こんにちは、カーサミアライターのえなです。防災士という防災系の資格保有者である私が、防災に関する疑問を解決していきます。
今回は、「災害時の備えチェックリスト」を紹介します。自身が行っている災害時の備えがきちんとできているのか、チェックリストを元にぜひ一度確認してみてください。
質問:災害時の備えチェックリストを教えて下さい
災害対策は色々と備えております。しかし、やるべきことが多いので、何か見落としていそうで不安です。チェックリストを教えてください。
回答:災害時の備え、8項目を紹介します
災害時の備えチェックリストを8項目紹介していきます。
災害時の備えチェックリスト
- 0次の備えを準備する
- 1次の備えを準備する
- 2次の備えを準備する
- 被害想定を確認する
- 避難場所・避難経路を確認する
- 自宅の災害対策を行う
- 安否確認方法を確認する
- 情報収集手段を確認する
「災害時の備えチェックリスト」を詳しく解説
チェックリスト1 0次の備えを準備する
0次の備えとは、「いつも持ち歩く防災グッズ」のことです。外出先での災害に備えて、モバイルバッテリー、携帯食、懐中電灯などを普段持ち歩くバッグに入れて、いつも持ち歩くようにしましょう。また、0次の備えはコンパクトな防災ポーチにまとめて用意するのがおすすめです。
0次の備えで用意するべき防災グッズの一例は、「0次の備え・防災ポーチを作ろう。必要なグッズ10選【防災士解説】」の記事で紹介しています!
チェックリスト2 1次の備えを準備する
1次の備えとは、「避難時にすぐに持ち出せて1日程度をしのげる備え」のことです。自宅を離れて避難する際に必要な物をまとめた非常用持ち出し袋(防災リュック)を、玄関などすぐに持ち出せる場所に用意しましょう。
1次の備えで用意するべき防災グッズの一例は、以下の過去記事で紹介しています!
チェックリスト3 2次の備えを準備する
2次の備えとは、「避難所や自宅で3日程度の避難生活を送るのに必要な備え」のことです。避難生活が長期化した場合、1次の備えだけでは生活に困る可能性があります。そのため、長期化する避難生活も想定し、2次の備えを準備する必要があるのです。
2次の備えで用意するべき防災グッズの一例は、下記記事で紹介しています!
チェックリスト4 被害想定(ハザードマップ)を確認する
自宅周辺や、職場周辺など普段長く過ごす場所の災害の被害想定を、ハザードマップなどで確認しましょう。ハザードマップは、地震・津波・土砂災害など災害の種別ごとに用意されているため、災害ごとに全て確認するようにしてください。
ハザードマップは、国土交通省の「わがまちハザードマップ」から市区町村のハザードマップを調べるか、「○○市 土砂災害ハザードマップ」「○○区 土砂災害ハザードマップ」等で検索してください。
国土交通省の「重ねるハザードマップ」でもおおまかに知ることはできますが、確認には市区町村のハザードマップがおすすめです。
「重ねるハザードマップ」には、たとえば市区町村が管理している小さな川の情報が載っていないこともあります。国交省のQ&Aには、「重ねるハザードマップ」は国や都道府県等の関係各機関が作成した災害リスク情報であり、水防法に基づき市町村が作成した水害ハザードマップではありません。とも明記されていますので、おおまかに知ったあとは市区町村のハザードマップで確認してくださいね。
チェックリスト5 避難場所・避難経路を確認する
被害想定が災害種別ごとに異なるように、災害ごとに避難場所や避難経路も異なります。ハザードマップなどを用いて、避難場所や避難経路を事前に確認しておきましょう。
また、平常時に実際に避難経路を歩いてシミュレーションしておくと安心です。
チェックリスト6 自宅の災害対策を行う
地震、台風、火災など災害ごとに自宅の対策を行いましょう。
地震への対策を行う
地震の場合は、以下のような対策を行いましょう。
自宅の耐震確認
自宅が地震に耐えられるのか把握するためにも、第三者評価機関が住宅性能を評価した「住宅性能評価書」や、築年数、耐震基準などから自宅の耐震確認を行いましょう。
詳細がわからない場合には大家さんや管理会社へ問い合わせましょう。
家具の転倒防止対策
L型金具や突っ張り棒などで家具と壁を固定したり、耐震マットや耐震ストッパーを家具の下に敷いたりして、家具の転倒防止対策を行いましょう。
下記の記事では、賃貸でもできる家具転倒防止対策を紹介しているのであわせてご覧ください。
避難経路や安全スペースの確保
緊急時に素早く避難できるように、避難経路となる出入り口や玄関、ベランダなどには物を置かないようにして日頃から自宅の避難経路を確保しておきましょう。また、家具などの物が転倒・移動・落下してこない安全スペースを作っておくと安心です。
台風への対策を行う
台風の場合は、以下のような対策を行いましょう。
窓ガラスの飛散防止
飛来物の衝突で窓ガラスが割れて破片が飛散・落下するのを避けるために、窓ガラスに飛散防止フィルムを貼りましょう。
雨戸やシャッターを確認
雨戸がガタついて立て付けが悪い場合、台風の際に飛ばされてしまう危険があります。また、シャッターは故障やサビなどにより閉まらない可能性もあります。日頃から、雨戸やシャッターの状態を確認し、必要な場合は修繕を行いましょう。
雨戸のない場合については下記の記事も参考にしてください。
自宅周辺の確認
台風の際には、強風が予想されるため家の周りに置いているものが飛ばされたり転倒したりする可能性があります。プロパンガスのボンベなど転倒する危険のあるものは固定しておくなど対策を行いましょう。
また、雨水ます・側溝は土砂や落ち葉が溜まっていると詰まりの原因となるため、日頃から定期的に掃除を行ってください。
火災への対策を行う
火災の場合は、以下のような対策を行いましょう。
家庭用消火器の設置
火災が発生した際に、初期消火が行えるように家庭用消火器を一台自宅に設置しておきましょう。
下記記事では、家庭用消火器の必要性や、おすすめの商品などを紹介しているのであわせてご覧ください!
ブレーカーの位置の把握
停電から電気が復旧した際に、通電火災が発生する可能性があります。避難時には、ブレーカーを落とす必要があるため、ブレーカーの位置や操作方法を事前に確認しておきましょう。
チェックリスト7 安否確認方法を確認する
災害時に家族や周りの人に安否確認ができるように、連絡手段を事前に決めておきましょう。災害時の安否確認方法として、以下のような連絡手段が用意されています。
災害用伝言ダイヤル「171」
震度6以上の地震や火山噴火などの災害時に提供されます。固定電話や携帯、公衆電話で「声の録音と再生」が行えます。
災害用伝言板「web171」
災害時にインターネットを通して被災者の安否を確認する方法です。被災者は、自分の電話番号を入力すると、「名前・安否状況・伝言」(最大100文字)を書き込めます。被災者の電話番号を入力することで、伝言板の書き込みを閲覧することが可能です。
各携帯会社用の災害用音声お届けサービス
パケット通信により、他社の携帯に関係なく音声メッセージを送れます。
公衆無線LANサービス「00000JAPAN」(災害用統一SSID)
災害時に被災地で無料で開放される公衆無線LANサービスです。Wi-Fi設定をONにし、ネットワーク選択で「00000JAPAN」を選ぶと利用できます。
下記の記事では、災害時の連絡手段を詳しく説明しているのであわせてご覧ください!
チェックリスト8 情報収集手段を確認する
いざという災害時に素早く災害情報を収集するためにも、災害時の情報収集手段を事前に決めておきましょう。情報収集手段として以下のような一例が挙げられます。
- TV、ラジオ、ライブ配信
- 気象庁など国や各自治体のホームページ
- SNS(誤った情報に注意が必要)
- 防災アプリ
- 防災無線
- 防災メール など
下記の記事では、災害情報の収集方法の手段や、情報を集める順番、集めるべき必要な情報などを紹介しているのであわせてご覧ください。
災害時の備えに関して見落としなどはなかったでしょうか?
災害時の備えを事前に行うことは、被害の軽減や自分の命を守ることにもつながります。災害の準備にやりすぎということはないため、「やりすぎかな?」というぐらいにしっかり事前の準備を行ってほしいです。