日本は災害が多い国のため、いつどこで災害に遭うかわかりません。そのため、頼れる家族や友人が直ぐ側にいない一人暮らしの場合、災害時に自分の身を自分で守るためにも、特に災害への備えは欠かせません。
こんにちは、カーサミアライターのえなです。防災士という防災系の資格保有者である私が、防災に関する疑問を解決していきます。
今回は、「一人暮らしの効率的な地震対策」に関して紹介します。まず始めるべき地震対策をステップごとに紹介していくので、地震対策をまだ行っていない方はぜひ順番に対策を始めてみてください。
質問:一人暮らし女性の効率的な地震対策は?
地震に備えて対策をしようと思いますが、何から始めてみたらよいかわからないです。一人暮らし女性にとって効率的な方法を教えてほしいです。
地震対策をしたくても、まず何から始めればいいか困ってしまいますよね。一人暮らしの女性が行うべき地震対策や効率的な方法を伺ってみましょう!
回答:一人暮らしの効率的な地震対策を6ステップで紹介
一人暮らしの効率的な地震対策を6ステップで紹介していきます。
一人暮らしの地震対策ステップ1 非常用持ち出し袋の準備
まずは、被災した際に必要なものをすぐに持って逃げられるよう、日用品・食料・飲料水・防災グッズなどをリュックやナップサックに詰めて、「非常用持ち出し袋」の準備をしましょう。
非常用持ち出し袋は、「防災リュック・防災袋・防災カバン」などとも呼ばれます。
非常用持ち出し袋の中にはどんな物を準備すればいいのか、一人暮らしで収納場所がない場合どこに置いておけばいいのかなどは、以下の過去記事を参考にしてください。
非常用持ち出し袋の中身に関して
非常用持ち出し袋の置き場所に関して
また、防災グッズは「特別なもの」「高価なもの」と考えられがちですが、非常用持ち出し袋に入れる一部アイテムは100均でもお手軽に揃えられますし、案外自宅にすでにあるもので揃えられるものもあります。
お手軽に非常用持ち出し袋を用意したいという方は、ぜひ以下の過去記事も参考にしてみてください。
非常用持ち出し袋を100均グッズで用意するアイデア
一人暮らしの地震対策ステップ2 防災備蓄の準備
避難時に持ち出す非常用持ち出し袋だけでなく、在宅避難や長期避難することを想定し自宅に防災備蓄を備えておく必要もあります。防災備蓄とは、自宅に食料品や生活必需品を備えておくことです。
災害時は、スーパーやコンビニなどに人が殺到し商品が品薄になることや、すぐには物資の配給が行われるとは限らないこと、ライフラインが断絶してしまう可能性があることなどから、数日間、自力で過ごせるように備蓄を行っておく必要があるのです。最低でも3日〜1週間自宅で過ごせるように必要なものを用意してください。
どのような防災備蓄を行えばいいのかは、以下の過去記事を参考にしてみてください。
防災備蓄品に関して
また、防災備蓄は一箇所に収納しようとせずに分散収納することで、災害の影響で取り出せなくなるなどのリスクを軽減できます。防災備蓄の収納方法は以下の過去記事を参考にしてみてください。
防災備蓄品の収納方法に関して
一人暮らしの地震対策ステップ3 避難場所・経路の確認
次に、自宅周辺の避難場所やそこまで避難するための安全な経路を確認しましょう。避難所の確認は、ハザードマップ・各自治体のHPや以下のようなサイトから確認できます。いつでもすぐに確認ができるよう、ブックマークしておくのがおすすめです。
また、以下のような防災アプリでも確認可能ですのでどれか1つでもインストールしておくこともおすすめします。
防災アプリの中には、外出先で現在地がわからないという場合でも避難場所を自動検索してくれるものや、電波が使えないオフライン状況下でも地図を確認できるものもあります。
避難所が確認できるアプリ
「避難場所=避難所」と思われがちですが、例えば両親・親戚・友人宅が近くになるのであればそこへ避難したり、ホテルや旅館へ避難したりするという方法もあります。
それ以外にも、自宅が安全であれば在宅避難を選択するという手もあります。災害時に自分がどの避難方法を選択するのかを事前に決めておくことで、いざというときにスムーズに行動できるでしょう。
一人暮らしの地震対策ステップ4 家具の固定
地震対策として、自宅の家具を固定し、転倒防止を行うことも重要です。
もし、家具転倒防止対策を行っていなかった場合、地震の影響で家具が倒れてしまい閉じ込められてしまったり、最悪の場合は家具の下敷きになってしまい命が脅かされてしまったりする可能性もあります。
テレビ・冷蔵庫・背の高いタンスなど転倒する危険性のあるものには、突っ張り棒などの固定グッズで転倒防止対策を行いましょう。
下記記事では、家具ごとに最適な固定グッズを紹介しているので参考にしてみてください。
また、できるだけ費用をかけたくないという場合には、家具固定グッズを利用しない以下のような対策もあります。
- 重いものを下に収納し倒れにくくする
- 高い位置に落下するようなモノは置かない
- 廊下など避難経路には家具を置かない など。
一人暮らしの地震対策ステップ5 家族・友人との安否確認方法の確認
災害時の安否確認のとり方を、事前に家族や友人と確認しておきましょう。災害発生直後は、音声通話が集中するため電波が繋がりにくくなり、緊急を要する人が消防や警察へ連絡できなくなる可能性があります。
そのため家族との連絡手段には通話は利用せず、パケット通信を利用した「メール・SNS・通話アプリ」などを用いることが推奨されています。
中でも、家族や友人との連絡手段には「LINE」を用いることがおすすめです。LINEであれば、家族でグループトークが作れることや、既読機能やGPS機能があることから安否確認を行いやすいです。
また、2022年からは「LINE安否確認」というタップするだけで状況を共有できる機能も追加されています。「無事」または「被害あり」から安否状況を選択し、より詳細に伝える場合には文章を入力したり、「避難所にいます」「後で返信します」などの候補の文章をタップして伝えたりもできます。
LINE安否確認を利用すれば、緊急を要する時間がない際でも個々に連絡せず、タップだけでLINEの友だち全員に状況を伝えられるため大変便利な機能ですね。
もし、災害の影響で電波自体が使えなくなってしまった場合には、災害用伝言ダイヤル(171)や災害用掲示板などを利用しましょう。それぞれの使い方に関しては下記の記事をご確認ください。
一人暮らしの地震対策ステップ6 近所の人と交流を持つ
一人暮らしで両親と離れて暮らしていたり周辺に友人がいなかったりする場合、災害時に孤立してしまう危険性があります。
そのため、近所の人と挨拶だけでもいいので普段から交流を持ち、顔見知りになっておくことも大切です。そうすることで、災害時にお互いに気に掛け合ったり、情報の交換ができたりし、少しでも安心感が持てて災害時に孤立することを避けられるでしょう。
もし何も対策を行わずにいざ地震が来てしまった場合、「非常用持ち出し袋の準備に時間がかかり逃げ遅れてしまう」「防災備蓄を準備しようにもスーパーなどどこも品切れ」「安全な避難場所や避難経路がわからずかえって危険な場所に行ってしまう」など、さまざまな危険な状況に陥ってしまうことが想定されます。
特に一人暮らしの場合は、災害時に自分一人で行動しなければいけません。いざというときに一人でもスムーズに安全な行動や対策が取れるよう、事前の地震対策をしっかり行ってくださいね。