毎月のお給料の手取りが20万円の場合、一人暮らしは可能なのでしょうか? もし一人暮らしするとなったら、どんな生活になるのでしょう? こんにちは、カーサミアライターの畑です。
こちらの記事では一人暮らしの生活費の内訳について、手取り額別に分析していきたいと思います。 実際に20万円・家賃8万円で暮らしている人の体験談も掲載しています。
これから一人暮らしを考えている人も、独立しているけれど生活を見直したい人も、ぜひ参考にしてください。
手取り20万円とは?
そもそも「手取り」とはどういう意味なのでしょうか。
お給料には「額面」「控除」「手取り」という金額があります。
「額面」とは会社から支給される給与の総額です。「額面給与」「額面金額」などとも呼ばれます。給与明細には「総支給額」として記載されていることが多いですね。
ご存じの通り、お給料は額面がそのまま振り込まれるわけではありません。これを「控除」と呼びます。
控除とは、あらかじめ一定の金額を差し引くことで、すべての国民が公平に税金を負担すべきだという考えに基づいて生まれた仕組みです。
たとえば、結婚して家族ができたときに適用される扶養控除は、既婚者は家族を養うのに生活費が必要なので、支払うべき税の負担を軽くするというものです。
つまり、控除が適用されると、そのぶん収める税金が少なくなるというわけですね。ちなみに、控除の金額は、年齢や扶養人数、その年の税率によっても変わります。
額面から控除を差し引いたものが「手取り」です。手取りは給与明細に「差引支給額」などと記載されます。
額面 - 控除 = 手取り
大まかですが、このような計算になると覚えておくとよいでしょう。
ここからは、具体的な内訳を解説します。
月給額面(給与)と手取りのシミュレーション
20代~30代 、独身の女性。会社員として都内に勤務している人の例です。
健康保険は協会けんぽに加入中として計算しています。
【月収シミュレーション】
◆ 月給額面:255,000円
控除項目 | 控除金額 |
---|---|
厚生年金 | 23,790円 |
健康保険 | 12,831円 |
雇用保険 | 765円 |
所得税 | 5,410円 |
住民税 | 9,861円 |
控除合計 | 52,657円 |
手取り(差引支給額) | 202,343円 |
また、交通費 がある人は「手取り」にプラスして支払われます。
交通費は「通勤手当」と呼ばれることもあります。交通費は非課税なので税金などはかかりません。
もし交通費が10,000円だった場合、202,343円 + 10,000円 = 212,343円となります。給料日になったら、212,343円が自分の銀行口座に振り込まれていることになりますね。
なお、今回の解説でいう「手取り20万円で一人暮らし」は、交通費は含まない計算です。交通費は毎月の定期代で使ってしまいます。
生活するためのお金は、202,343円であると覚えておきましょう。
ボーナスについてのシミュレーション
続いてボーナスについて解説します。
ボーナスは給与明細で「賞与」として記載され、毎月の給料と同じように控除が発生します。
【ボーナス(賞与)シミュレーション】
◆額面賞与:400,000円
控除項 | 控除金額 |
---|---|
健康保険 | 19,740円 |
厚生年金 | 36,600円 |
雇用保険 | 1,200円 |
控除合計 | 57,540円 |
手取り(差引支給額) | 342,460円 |
ボーナスが年に2回支払われるのであれば、342,460円が2回振り込まれるということになります。
年収についてのシミュレーション
最後に年収の計算です。
一般的に「年収」は年金や税金を控除する前の総支給額で表します。
たとえば月給は額面255,000円 、ボーナスは1回につき額面400,000円支給とします。
ボーナスの有りと無しのそれぞれで見てみましょう。
【年収シミュレーション】
<ボーナス有り>
項目 | 計算式 | 金額 |
---|---|---|
額面給与分 | 255,000円 × 年12回 | 3,060,000円 |
額面賞与分 | 400,000円 × 年2回支給 | 800,000円 |
年収額 | 給与 3,060,000円 + 賞与 800,000円 | 3,860,000円 |
<ボーナス無し>
項目 | 計算式 | 金額 |
---|---|---|
額面給与分 | 255,000円 × 年12回 | 3,060,000円 |
額面賞与分 | 支給無し | 0円 |
年収額 | 給与 3,060,000円 + 賞与 0円 | 3,060,000円 |
もし、住宅ローンを組みたいときやクレジットカードを作りたいときに「年収は?」と聞かれたら、ボーナス有りの人は386万円、ボーナス無しの人は306万円と伝えましょう。
なお、ボーナスは支給の有無や支給額に変動があるものなので、生活資金の充てにはしないほうがいいですね。
普段の生活は月々のお給料でやりくりして、ボーナスは貯金や投資に回すようにするのが賢明です。
一般的な家賃と食費の金額とは
一人暮らしの一般的な家賃は?
全国賃貸管理ビジネス協会の全国家賃動向調査によると、各都道府県の1部屋(1K・1DK・1LDK) の家賃は以下の通りです。
【1部屋の家賃】
都道府県 | 金額 |
---|---|
東京都 | 68,422円 |
神奈川県 | 60,007円 |
埼玉県 | 53,191円 |
千葉県 | 54,999円 |
参考: 全国賃貸管理ビジネス協会/2023年10月の全国家賃動向調査
東京の一般的な一人暮らしの家賃は約7万円。他の県とは1万円以上差がありますね。
手取り20万円で家賃8万円の部屋を選ぶとなると、平均よりさらに1万円高いことになります。実際に生活できるのでしょうか…?
手取りから家賃を算出してみましょう
一般的に家賃は手取りの3分の1と言われています。これにあわせると手取りが20万円の場合、家賃の目安は6.7万円となります。
手取りから、家賃の目安をシミュレーション
あなたの手取り月収から、適切な家賃の目安を計算してみましょう。
「毎月、実際に振り込まれているお給料(通勤交通費等の実費を除く)」を選択してください。
額面収入から家賃の目安を計算したい方はこちら
今回は家賃8万円の想定で考えてみましょう。目安と比べると1.3万円の差額です。なかなか大きい額ですね。
しかし職場の立地や駅との距離、防犯・防災の都合などで8万円のお部屋に暮らすことを選ぶ人もいるでしょう。その場合はほかの生活費を節約することになります。
また、自分で生活をしていくのであれば貯金や保険の支払いも気になります。果たして希望のお部屋で充実した生活が送れるのか、その人の状況にあわせて計算してみましょう。
一人暮らしの食費の平均額
家賃と同じく毎月かかるお金といえば「食費」です。
総務省が発表した「平成30年(2018年)家計調査報告(家計収支編)総務省」を見てみましょう。
食費の平均(円) | 外食費(円) | 外食費の割合(%) | |
---|---|---|---|
すべての一人暮らし世帯平均 | 39,069 | 7,840 | 20.0% |
一人暮らし女性平均 | 36,860 | 5,230 | 14.1% |
34歳以下の 一人暮らし女性平均 | 30,035 | 9,788 | 32.6% |
35~59歳の 一人暮らし女性平均 | 40,075 | 7,700 | 19.2% |
参考:家計収支編 単身世帯 詳細結果表(2022年) ※単身世帯のうち世帯主が勤労者である場合
これによると、全体の食費の平均における「外食」の割合は20%を占めていることがわかります。
若い世代のほうが外食をすることが多いようで、34歳以下の女性は、食費の3割以上を外食にかけています。一方で35~59歳の女性は、外食が減る分、家で食べるものにお金をかけるようですね。
一人暮らし女性全体の平均的な食費から外食費を引くと、36,860円 – 5,230円 = 24,563円。
この約2.5万円にはコンビニ弁当・お惣菜などの「中食」も含まれているでしょうから、コンビニも使わずになるべく自炊中心で生活するなら2万円くらいでしょうか。
この仮定をもとに生活費をシミュレーションしてみることにしましょう。
状況別に見た生活費の内訳
毎月の生活費をどのように使うのかは人それぞれです。ここでは3つの生活パターンにわけて解説していきます。
外食・コンビニ食を普通に利用する人
ここでは“外食・コンビニ食を普通に利用する人”の生活費の内訳を見ていきます。平均的な食費、3.5万円の計算です。
項目 | 金額(円) |
---|---|
家賃 | 80,000 |
水光熱費 | 10,000 |
通信費(ネット、スマホ) | 10,000 |
食費 | 35,000 |
服・美容・生活用品 | 15,000 |
交際費 | 15,000 |
趣味・娯楽 | 11,000 |
保険 | 9,000 |
貯金 | 15,000 |
合計 | 200,000 |
手取り20万円で家賃8万円のお部屋に住んだとしたら、上記のような内訳になります。別の記事で手取り10万円台での一人暮らしについてお伝えしていますが、それに比べると全体的に使える金額は上がっているように見えます。
それでも目安からの差額1.3万円は大きいと感じるかもしれませんが、その分に見合ったセキュリティや防災対策が手に入れられているのであれば、納得できる内訳かもしれません。
完全に自炊して、娯楽・交際費を優先する人
次に、日々のランチ(昼食)も手作りのお弁当にして、娯楽・交際費を優先する人の生活費の内訳を見ていきましょう。
平均的な自炊の食費イメージで、2万円で計算しています。
項目 | 金額(円) |
---|---|
家賃 | 80,000 |
水光熱費 | 10,000 |
通信費(ネット、スマホ) | 10,000 |
食費 | 20,000 |
服・美容・生活用品 | 13,000 |
交際費 | 20,000 |
趣味・娯楽 | 23,000 |
保険 | 9,000 |
貯金 | 15,000 |
合計 | 200,000 |
外食・コンビニ食のときから比べて 食費で1.5万円減った分を、交際費および趣味・娯楽へ割り振ってみました。
ご自分の状況と照らし合わせてみて、いかがでしょうか? ちがう部分や今の生活とあまり変わらない部分はありますか?
この金額を30日で割り算したらどうなるのか? また、女性であれば美容院やエステ、コスメなどの料金も発生すると思います。 足りないな、と思う方はご自身の状況に合わせて各項目を調整してくださいね。
奨学金返済のある人
最後は“毎月、奨学金の返済がある人”の生活費についてです。
労働者福祉中央協議会が2023年3月に発表した「奨学金や教育費負担に関するアンケート調査」によると、月々の返済額は平均15,226円です。
参考:奨学金や教育費負担に関するアンケート調査|労働者福祉中央協議会
ここではわかりやすく、月々の返済額を1.6万円として見ていくことにします。
食費は自炊中心で、2万円と計算しています。
項目 | 金額(円) |
---|---|
家賃 | 80,000 |
水光熱費 | 10,000 |
通信費(ネット、スマホ) | 10,000 |
食費 | 20,000 |
服・美容・生活用品 | 15,000 |
交際費 | 16,000 |
趣味・娯楽 | 15,000 |
保険 | 4,000 |
貯金 | 15,000 |
奨学金 | 16,000 |
合計 | 200,000 |
こちらも食費が2万円であれば、生活用品代や交際費、趣味・娯楽代もまんべんなく出費することができそうです。
ただし毎シーズン旅行に行く、ブランド品を買うなどの贅沢はむずかしそうです。旅行や高級品にお金をかけたい人は、ほかの部分を節約する必要が出てきますね。
節約に対する考えも、あまり固く考えずに楽しんで節約する方法を探すことをおすすめします。カーサミアでも簡単にできる節約術や楽しんでできるDIY術を紹介しているので参考にしてください。
今の収入で家賃・食費の目安はいくら?
私の「生活費の目安」を計算する >>
参考記事:一人暮らしでもエアコンつけっぱなしがお得?夏の電気代節約術5選(前編)
参考記事:捨てる前に試してみて!保冷剤を消臭剤として再利用♪
実際に手取り20万・家賃8万円で暮らしている人の体験談
生活費の内訳から、生活のイメージはついたでしょうか?
ここで、実際にそのくらいの手取り・家賃で暮らしている(過去に暮らしていた)人の声を紹介します。大変だと感じている人と、そんなに負担なく暮らせている人がいるようですよ。
大変だった人の体験談
生活は結構大変でした
(26~30歳/東京都国立市/ 家賃:7.6万円、手取り月収:20.8万円)
初めての一人暮らしなので、少し高いけどセキュリティのしっかりした部屋に決めました。
大学時代は寮生活で仕送りしてもらいながら住んでいたので問題なかったのですが、就職してからは、毎月の生活が本当にきつかったです。
近くの友達家に毎晩遊びに行っては、夕食をごちそうしてもらっていたました。化粧品はいつも100円ショップで買っていました。
大変。2年が限界
(41~45歳/東京都豊島区/家賃:8.2万円、 手取り月収: 20万円)
家賃は高いと思いましたが、会社への通勤時間とセキュリティ面などを考えると、そこしかなかったです。
オートロック・モニター付インターホンでセキュリティ面は安心、自転車置場もあり敷地内ゴミ置場もあり、設備は良かったです。
とにかく食費や光熱費を抑えて、引っ越し代などを安くする為にモノも減らし、外で飲む事等を控えて地味な暮らしをしました。今振り返れば、じっくり探せば近くでもっといい物件があったと思います。更新費用も高かったので、更新せずに2年後、2万円安いマンションへ引っ越しました。
大変でした
(~25歳/東京都北区/家賃:8万円、手取り月収:20万円)
都内勤務で、都内に住みたいという思いから、 無計画に部屋を決めてしまいました。
節約としては食事を削っていました。洋服や友達との遊び代でほとんど消えていくので、日々の食事はほとんど自分で出していません。知り合いがやっているバーやレストランで、安く食べさせてもらったり…。若いうちは、、と思ってあやかっていました。
大丈夫だった人の体験談
貯金もするため、かなり節約をしていました
(~25歳/東京都豊島区/家賃:8.2万円、手取り月収:20.8万円)
当時、有楽町線・麴町駅に勤めていた会社があったので、同じ沿線で要町を選びました。
私は自炊派だったので、とにかく自炊をして食費を切り詰めていました。昼食も会社にお弁当を持参していました。飲み物も極力買わないように、マグボトルも持参していました。
普段の生活は、それほど苦しいというわけではありませんが、結婚式などの出費はとても大変でした。そのため披露宴に呼ばれたら、二次会は欠席していました。今思えば、少々さみしい思いをしました。
贅沢はできないが余裕
(~25歳/東京都大田区/ 家賃:7.8万円 、 手取り月収:20.2万円)
駅から近い物件でセキュリティもよく、外見がきれいだったので選びました。またコンロが2口だったので自炊にも便利でした。当時は社会人になり立てで、給料も低かったですが、やはり女性の一人暮らしなのでセキュリティも重視しました。
そこまで切り詰めた生活はしていませんでしたが、基本的には毎日自炊をして、友達との飲み会も大学時代よりも行くのを控えていました。当時は友達たちも社会人になり立てでお金がなかったので、飲み会自体も少なくなっていたのでありがたかったです。
余裕はないが、意外と大丈夫
(26~30歳/神奈川県横浜市/ 家賃:8.4万円 、 手取り月収:20.6万円)
この部屋の決め手は、駅から近かったのと、少し広めで余裕のある間取りだったことです。新築でキッチンやお風呂の設備も良かったです。
少し無理をして広い部屋にしたので、収納もしっかりあり、キッチンやお風呂もゆとりがあったので快適に生活できました。
金銭的には余裕というわけではありませんでしたが、服を買ったり飲み会に行ったりしても、少しですが貯金もできました。
東京(&近郊)で家賃8万円だと、どんな部屋に住める?
具体的にどんなお部屋に住めるのか、「平成30(2018)年 住宅・土地統計調査」や、LIFULL HOME’Sにて掲載されている「家賃相場」のデータを基に調べてみました。
実際にどんなお部屋に住んでいるのかの体験談や、家賃8万円のお部屋の探し方も書いていますので参考にしてくださいね。
家賃を安く抑えるにはどうしたらいい?お部屋選びのポイント
できるだけ家賃を安く抑えたい…!誰でもそう思いますよね。よく見かける物件の要素で、どっちを選べば安くなるのか比較してみます。
メリットとデメリットもまとめているので、物件選びの参考にしてくださいね。
各駅しか停まらない駅 vs 急行が停まる駅
各駅停車駅を選んだほうが家賃は確実に安くなります。沿線にもよりますが、10~15%ほど抑えられることも。
勤務先へ直通の駅を選びたい、この沿線が好きなど、沿線にこだわりがある方は、各駅停車駅を選んで家賃を抑えましょう。
各駅しか停まらない駅を選ぶメリット
・家賃を抑えられる
・希望の沿線に住める
各駅しか停まらない駅を選ぶデメリット
・通勤時間がかかる場合がある(沿線内の乗り換えが必要、または通過待ちなど)
木造 vs 木造以外
建物の構造や種別でも家賃は抑えられます。家賃を下げるには「木造」を選ぶこと。
木造となると概ねアパートになりますが、この選択は主要駅に近い場合に、より効果を得られる傾向があります。木造を選ぶことで、10%前後家賃を下げて住むことができるかもしれませんよ。
木造を選ぶメリット
・家賃を抑えられる
・主要駅に近い駅を選べる可能性がある
木造を選ぶデメリット
・木造住宅なので、「遮音性」「耐久性」「耐震性」「防火性」などの心配がある
・木造住宅は2階建てのアパートタイプが多いため、エントランスなどの共用部などがなく(外階段を使って直接玄関に行ける)、防犯・セキュリティ面に不安がある
築年数が古い物件 vs 築浅物件
なるべく新しい建物に住みたいって思いますよね。
一般的に「築浅」と認識されているのは5年くらいまでです。
結論としては、築年数が新しい・古いで必ず家賃が下がるかというと、そうではありません。
新築に近いほうが賃料が高くなることはもちろんありますが、実は「築〇年までが新しい」=「だから家賃が高い」という基準はありません。どちらかというと、そのエリアの物件の空室状況によるところが大きいです。
賃貸を募集している物件がたくさんあれば「余っている」ということで、築年数が新しくても著しく家賃が高くなることはありません。
逆に人気の場所で、物件が常に足りないようなエリアは築年数が古くてもあまり家賃は安くならない傾向があります。
まとめるとこうなります。
・空室の賃貸物件が多い=物件が余っている=家賃が安くなる
・空室の賃貸物件が少ない=人気エリア=家賃が高くなる
また、築年数が30年以上になると、室内設備も古くなりますが近年はリフォームやリノベーションにより、内装は新しくなっていることも多く、古さは感じません。ですが建物自体が古いと、建物の性能も悪くなるので、熱暖房効率が悪いなど住んでから出てくる事態に注意が必要です。
築年数が古い物件を選ぶメリット
・人気エリアに住みたい場合は家賃を抑えらえる場合がある
築年数が古い物件を選ぶデメリット
・家賃を抑えるために古い建物を選ぶと、建物の耐久性などに心配がある
・家賃を抑えた割に、光熱費がかかるなどの別の費用が多くかかる場合がある
3点ユニット(バス・トイレ・洗面が一緒)vs バストイレ別
これも根深い「バストイレ問題」です。
お風呂とトイレが別々の家がいいと思って探していいても、希望家賃を下げると3点ユニットと言われる「お風呂・トイレ・洗面」が一緒になっている部屋ばかりということがよくあります。
逆に、ここをこだわらなければ、家賃を下げられるということですね。
バス・トイレ・洗面にキッチンを足した「水回り」と言われる設備は、意外と室内でもスペース(面積)を必要とするため、別々にするのと一緒にするのでは仕上がるお部屋の専有面積に大きな差が出てきます。
水回りを別々にするを「A」、できる限り一緒にするを「B」として比べてみましょう。
水回りの考え方 | 6畳の居室を確保するための必要面積 | |
A | それぞれバラバラにして6畳を確保する (設備を設置するために壁やドアも必要) | 30㎡前後 |
B | できるだけコンパクトにまとめて、 6畳を確保する | 20~25㎡ |
Aのほうが快適に過ごせますが、必然的に必要面積が広くなるので家賃も高くなります。
ということで、家賃を下げるためには「バス・トイレ別」の条件を外しましょう。
3点ユニットの物件を選ぶメリット
・家賃を抑えられる
3点ユニットの物件を選ぶデメリット
・浴槽につかりにくい(上部にシャワーあり)
・洗面台のスペースがない、狭い
・トイレにウォームレットやウォシュレットがない
・入浴後は洗面やトイレを使う際に、熱気が残っている
ミニキッチン vs 2口コンロ以上のキッチン
都心の便利な場所の物件に多い、ミニキッチンタイプ。キッチンにこだわりのない方は、ミニキッチンの物件を選ぶことで家賃を抑えられますよ。
ミニキッチンは、コンロが1つ(IHまたは電気式が多い)、シンクも幅がない(フライパンが洗えない)、作業スペースがないのが特長です。あまり料理をしないタイプの方であれば、問題ないのですが自炊派の方は色々コツが必要です。
こちらも必要なキッチンを極限まで小さくすることで、専有面積を大きくしないで畳数を確保する設計上の技ですね。
キッチンのサイズ(形状)を小さくすることで家賃を抑えるのに、大きな役目を果たしてくれます。
ミニキッチンのメリット
・家賃が抑えられる
ミニキッチンのデメリット
・自炊はしづらい
・キッチンが小さい部屋は、電化製品や食器を置くスペースも確保されていない場合が多い
エアコンなし物件 vs エアコン付き物件
時々見かけるエアコンなしとエアコン付き物件。どちらを選べば家賃が下がるのでしょうか。
結論から言うと、どちらを選んでも家賃に大きな差は出ません。
でも初期費用は抑えられますので、費用圧縮には有効です。
一般的に大家さんが物件にエアコンをつける理由は以下のようなことです。参考までにお伝えしておきますね。
・他物件との差別化をして高く貸すために最初から設置
・なかなか借り手がつかないときに後から設置
ということで残念ながら、エアコンがついていないからっと言って「家賃が安い」とは限らないというわけですね。
エアコン付き物件を選ぶメリット
・初期費用を抑えられる
・季節を問わずすぐ引っ越せる
・エアコンが故障したら、オーナー負担で修理してもらえる
エアコン付き物件を選ぶデメリット
・古いタイプのエアコンだと、光熱費が逆にかかる可能性がある
・エアコン設置済だと自分好みのエアコンは設置できない
一人暮らし女性のための節約術
一人暮らしの女性だからこそできる簡単な節約術を紹介します。
細かい計算や面倒な作業は必要ありません。
ちょっと気を付けるだけで、年数千円〜数万円の節約につながるでしょう。
家計管理をはじめる(家計簿をつけてみる)
生活費を自分で管理する第一歩といえば家計簿です。
難しい計算式を覚えたり、細かい項目を書いたりする必要はありません。
スーパーで買った食材は野菜でもジュースでもまとめて「食費」とする、スマホ代とインターネット代は合計して「通信費」とするといった考え方で大丈夫です。
最近では家計簿アプリもあるので便利ですよ。
毎日が手間であれば1週間ごとに計算してもかまいません。お財布のレシートやクレジットカードの明細などにある金額を計算してみましょう。
自分の月々の生活費がわかれば、どこを節約すればよいのかも見えてきます。
お風呂の湯量を少しだけ減らしてみる
一人暮らし用のユニットバスにお湯を張ると平均して150リットル程度の水を使います。また、シャワーは1分間に10リットル程度の水が使われています。
例えば10分間シャワーを使ったとしたら、100リットル程度の水が使われていることになります。東京都水道局の水道料金に基づき、1リットル0.24円で計算してみます。
【毎日お風呂につかり、10分間のシャワーを浴びる場合のシミュレーション】
バスタブ150L + シャワー 100L = 250L
250L × 0.24円 × 30日 = 1,800円
お風呂だけで毎月1,800円支払っていることがわかりました。
これを半身浴などにしてバスタブを130Lに、シャワーを5分に抑えたらどうなるでしょう。
【毎日半身浴につかり、5分間のシャワーを浴びる場合のシミュレーション】
バスタブ130L + シャワー50L = 180L
180L × 0.24円 × 30日 = 1,296円
1カ月で504円、年間だと約6,000円節約できます。これはなかなか効果がありそうですね。お風呂の水を減らす以外にも、毎日を隔日にするなどでも調整できますよ。
節水シャワーヘッドに変えて、水道代を節約している人もいますよ。
エアコン以外の電化製品を使ってみる
夏場や冬場に大活躍してくれるエアコンですが、電気代は高いです。
冬にエアコン代わりに活躍するアイテム
冬のアイテムでは、エアコンの代替品がたくさんありますよ。ホットカーペットや電気毛布の方が安く済みます。
たとえば1畳用ホットカーペットの消費電力は、平均230W程度と言われています。エアコンは設定温度や風量によって違いがありますが、暖房の最大値1500Wで計算しましょう。
全国家庭電気製品公正取引協議会による目安単価に基づき、1時間あたりの電気代を27円とすると、電気代は以下の通りになります。
◆ホットカーペット 230W ÷ 1,000 × 1時間 × 27円 = 6.21円
◆エアコン 1,500W ÷ 1,000 × 1時間 × 27円 = 40.5円
参考:「電力料金の目安単価」の改訂に関する件|公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会
実に6.5倍もの違いがあります。便利なエアコンですが、使い過ぎには注意したいですね。
最近では「一人用こたつ」も販売されています。夏でもセンターテーブルとして使えるタイプなら便利です。デザインもいろいろありますので、お気に入りを見つけてくださいね。
狭いお部屋にこたつを置くときは、以下のようにレイアウトを工夫するとよいでしょう。
夏のエアコン代を抑える方法
夏には扇風機や送風機を取り入れてみるとよいでしょう。
カーサミアでは、エアコンを使わずに涼しくなる方法もご紹介しています。
真夏など、どうしてもエアコンが必要な季節は、きちんとエアコン掃除をすると、消費電力を減らせて節電になりますよ。
家具のレイアウトでも変わる!
また、ベッドや布団の位置も見直してみてください。窓辺や壁の近くにぴったりくっつけていると外気温の影響を受けます。
数センチでも離してみるだけで、エアコン代を抑えることができるでしょう。
ガスは都市ガスがおすすめ
ガスには2種類あり、都市ガスとプロパンガスがあります。一般的には都市ガスよりプロパンガスの方が1.5倍~2倍ほど高値です。お部屋を探すときは使うガスの種類を確認するようにしましょう。
1時間料理をした場合のガス代は、都市ガスが約33円、プロパンガスが約51円です。プロパンガスのほうが、およそ1.7倍ほど高い計算になりますね。
ちなみに料金は都市ガスもプロパンガスも、ガス会社が自由に設定できる仕組みです。
都市ガスはガスの自由化によって、利用者が自由にガス会社を選べるようになっているので、お部屋を比較する際は、ガスの種類や契約しているガス会社の料金も比べてみるとよいでしょう。
1時間 料理をしていた場合の利用料金(カーサミア調べ )
※すべて中~強火を想定
※基本料金は除外
◆都市ガス 約33円(13A, 2.97kW,東京ガス6月単価145円/m3にて計算)
◆プロパンガス 約51円( 2.97kW,東京平均479円/m3で計算)
コンセントを抜いて待機電力をカットする
つい、コンセントを差しっぱなしにしている電化製品はありませんか?
テレビやドライヤーなどはもちろん、洗濯機や炊飯器も一人暮らしであれば毎日は使いません。
エアコンや天井のライトのような電化製品は難しいですが、常に電源に繋ぐ必要のない電化製品はコンセントを抜いて「待機電力」を減らしましょう。
資源エネルギー庁の調べによると、一世帯あたりの待機電力は 消費電力の5.1%となるといわれています。
こちらは一人暮らしからファミリー世帯までを指しているので、最大値として捉えましょう。家族数が違えば、電化製品の数も種類も違いますよね。それでは仮に一人暮らしの待機電力が4%だとして、簡単に試算してみましょう。
毎月3,000円の電気代がかかる住まいであれば、3,000円×4%=120円という計算です。
120円×12カ月=1,440円、コンセントを抜くだけで1年で、約1,440円の節約になります。
コンセントを抜くのが面倒という人は、スイッチで電源の入り切りができる節電タップを使ってみるとよいでしょう。
参考:平成24年度エネルギー使用合理化促進基盤整備事業(待機時消費電力調査)報告書概要
古い電化製品を買換えてみる
一人暮らしを始めてからずっと使っている愛用の電化製品はありませんか?「壊れてから買換える」と考えている方も多いので、意外と長い間使っているものもありますよね。
実はこのあたりの電化製品、買い替えるだけで省エネになるんです。
・冷蔵庫
・洗濯機
・炊飯器
・ドライヤー
・テレビ
・照明器具(LED電球でないもの)
例えば、最後の照明器具。
現在使っている「一般電球」「ボール電球」「小形電球」を『電球形LEDランプ』へ交換するだけで、約85%の省エネになります。
さらに電球形LEDランプは省エネなだけでなく、寿命が40,000時間!一般電球と違って交換がほとんど要らないので手間も費用も抑えれられます。
環境省が展開している地球温暖化対策のための国民運動「COOL CHOICE」ウェブサイトで詳しい比較などもできるので、試してみてくださいね。
長持ちさせるのも大切ですが、電気代が無駄にかかるアイテムではお金も効率も悪いのが現実。必要であれば買換え!ですよ。
出典:COOL CHOICE ウェブサイト、「LED照明への買換え効果」
食費節約におすすめ、自炊レシピ
節約でみなさんが考えるのは、やっぱり自炊による食費節約!
しかし食費節約といっても「毎日納豆ご飯」「カップラーメンばかり」というのは少し寂しいもの…。健康のことも考えて、野菜やお肉もバランスよく食べたいところです。
というわけで、カーサミアは時短レシピや節約レシピ、自炊の基本に関する記事をたくさん公開しています。
そもそも「バランスの良い食事とは?」や、「自炊って本当に節約になる?」をはじめ、コンビニで買えるものだけですぐ作れる「コンビニ食材レシピ」や、作り置きしてお弁当にも持って行ける「節約レシピ」を公開中。
自炊初心者さんが揃えておきたい調味料やキッチン用品のほか、ズボラ女子がお弁当生活を続けるコツも紹介していますので、ぜひご覧ください。
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一人暮らしの食費、節約する買い物のコツ
お給料の手取りが20万円で、家賃8万円のお部屋に住む場合の生活費をシミュレーションしました。
内訳では生活用品代や食費、交際費などまんべなく使えるイメージです。しかし体験者の声を見てみると、やはり節約は必要だということがわかります。基本的に自炊は必須で、交通費や引っ越し代など、食費以外も節約している人がいます。
これをストレスと感じる人もいるかもしれませんが、節約をがんばるほどオートロックやモニター付きインターホンのある部屋に住めたり、職場から徒歩圏内や広い間取りの部屋に住めたりします。
女性の一人暮らしともなれば、セキュリティや防災対策がしっかりした物件を選びたいですよね。安心で快適な生活を手に入れるためにも、今から自炊やお得な買い物など楽しんでできる節約術を身につけていきましょう。
部屋の条件を妥協せず、家賃を節約する方法
「ある程度便利な場所で、広めで、セキュリティがあって、…の条件は妥協できないから、家賃は節約できない」と思い込んでいませんか?
もしかしたらマンションを購入することで、住居費を変えずにもっといいお部屋に住めるかもしれません。
賃貸or購入 比較シミュレーション計算ツール
大きな支出、家賃。
「この家賃、もったいないなぁ…」
「いまの住居費と同じ支出だと、いくらのマンションが買える?」
と考え始めたら、そろそろ「あなたにとっての買い時」かも。一度シミュレーション計算してみてくださいね。
マンション購入体験談
手取り23万円の一人暮らし女性は「家賃がもったいない」と中古マンションを購入し、【家賃を資産に変える】という節約をしながら、充実した新生活を送っていますよ。
手取り25万円の一人暮らし女性は、「いまの賃貸より、収納と設備の充実したお部屋に住みたい!」と新築マンションを購入しました。
ランニングコストも含めた住居費は、月9.5万円を予定しています。
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