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仕事が忙しいと、汚部屋になりがち。そんなときこそ花を買って帰る【一人暮らしエッセイvol.71】

一人暮らしエッセイ
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部屋を荒らして、心が寂しくならないように

私の一人暮らしマイルールは、なるべく部屋に生花を飾ること。

というと、一見、リッチで品のある生活のルールのように思えそうですが、実はこのルールを作ったのは、誰にも見せられないくらい部屋が荒れていたからでした。

あのときは、床には色んなものが広がっていて、ところどころ見える床だと思わしきものを辿りながら部屋の奥まで行き、辛うじて置いてあったクッションに座ったらもう一歩も動けないような部屋に暮らしていました。

「部屋の乱れは心の乱れを表す」なんて言いますが、まさしくその通りで、当時は仕事が忙しく、自分のことを気に掛けることができていなかったのです。

当然、その生活は部屋にも表れました。
脱ぎっぱなしの服、放置された食器、職場の鞄は倒れたまま。

毎日仕事から帰ってきて見る部屋があまりに汚くて、やるせない気持ちだったのを今でも覚えています。

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ある仕事が休みの日、自分の部屋の掃除から目を逸らすために、商店街まで買い物に行きました。でも必要な食材を買ってしまえば、もうやることがありません。仕方がないから部屋に帰ろうとしたとき、花屋さんを見つけたのです。

そこには可愛らしいカーネーションとチューリップの花束が300円で売っていました。

本当に、なんでもない気持ちで私はその花束を買って、店員さんの「大切にしてあげてね」の言葉に「はい」と頷いてあの部屋に帰りました。

実は私、昔から花は嫌いではありませんでした。
一人暮らしの部屋に花瓶があるくらいには、好きだったのです。
ただ、随分と花を飾ることをしていなかったので少しだけ戸惑いました。

ひとまず水切りをしながら花瓶にいれて、キッチンから部屋のドアを開けました。

やっぱり部屋は汚いままです。

こんな汚い部屋のどこに花瓶を置くべきかと必死に悩み、ひとまず花が置けるよう、ローテーブルの上を片付けることを決めました。

ここからは自分でも少し驚いてしまったのですが、片づけを始めると案外簡単に物事は進んでいきました。何故かというと私自身が物に住所を決めていたからです。
あれはここ。それはあっち。という風に。

戻せなかったことで部屋が荒れていただけですから、散らばっているあれそれを、とにかく元ある場所に戻していく作業を淡々と続けました。

そして何も置かれていないローテーブルの上を除菌シートで拭いて、そこに花瓶を置きました。

するとどうでしょう。なんだか急に背筋が伸びるような気がしたのです。

それから私はとりつかれたように、床や大きなテーブルの上の掃除も始めました。この花が綺麗に見えるような部屋にしたい。きっとそう思ったのだと思います。

正直今でも、部屋が荒れるときはあります。
やはり疲れているときや、ストレスが溜まっているときは仕方がありません。

でも、そんなときこそ花を買って帰るようにし始めました。
花に癒されると同時に、この花に似合う部屋にしたいと考えると、自然ともうひと踏ん張り頑張ることができるからです。

あの日、なんとなく商店街の花屋さんで買った花束のおかげではじまった私のマイルールは、部屋を荒らして心が寂しくならないよう『定期的に花束を買って飾ること』です。

一人暮らしだからこそ、心地の良い部屋を作りたいですから。

(エッセイ投稿者:万里/女性)

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